研究課題/領域番号 |
24650363
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
土井 幸輝 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育情報部, 主任研究員 (10409667)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 点字 / 触読 / 触読支援具 / 点字学習者 |
研究概要 |
UV点字は様々な素材への適用が可能であり,一般印刷物上の文字や図を損なわないため晴眼者と視覚障害者が同じ印刷物の情報を共有できる.それ故,急速に普及している.UV点字は紙点字に比べて指先に伝わる刺激が強く,中途視覚障害者の点字習得には有効であるといわれ,点字学習本もUV 点字に置き換えられている.しかし,中途視覚障害者は,懸命に点字を触読しようとするあまり強く点字に触れてしまい,指先の精神性の発汗も伴って指と点字の印刷された素材との動摩擦が大きくなる.そのため,点字の刺激が指先から伝わり難く点字触読に支障をきたすことが問題視されている.そこで本研究では,点字学習者のための点字触読支援具を考案し,その効果を明らかにすると共に実用化に向けた製法や使用素材を検討することを目的とする.本年度は,UV点字の触読性向上を目指し,点字触読支援具に用いる素材の検討を行うこととした.具体的には,「曲げ剛性」「摩擦抵抗(動摩擦係数)」「表面粗さ」の3つの評価指標を用いて適切な素材を選定した.著者らの先行研究において,ポリエステル長繊維不織布で触読性は有意に向上することを示したが,実用化を想定した場合に素材の耐久性が懸念された.そのため,薄く柔らかいという基準に基づいて朱子織物と絹織物を用意し,これらの素材の硬さ(曲げ剛性)と滑り易さ(動摩擦係数,表面粗さ)を測定し,ポリエステル長繊維不織布と比較をしながら,点字触読支援具に用いる適切な素材の検討を行った.その結果,曲げ剛性で顕著な差はないが,平均摩擦係数と表面粗さで良い結果が得られ,主観的にも触感の良かった朱子織物を点字触読支援具の素材として用いることとした.本年度は素材の選定等に工数をかけ,研究成果を次年度に発表するためにデータの分析を進めているところである.また,関連する筆記ツールの開発も進め,ツールとの併用も検討していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
点字触読支援具の素材の選定とその評価を計画通りに行うことができているため.
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今後の研究の推進方策 |
初年度は素材の選定等に工数をかけた.次年度に本年度の研究成果を発表するためにデータの分析を進めているところである.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の繰越金に関しては,平成25年度の使用感の評価をより効率的に行うためや,平成25年度の評価実験を拡充させる目的で生じた.なお,平成25年度は,視覚障害者の協力を得て,触読実験を行い,平成24年度に作成した点字触読支援具の使用感を評価する.なお,触読実験に関しては,実験の支援者が必要であるため,そのための人件費と実験に必要な消耗品の購入,研究成果の発表等に使用する.
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