研究課題/領域番号 |
24650363
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
土井 幸輝 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育情報部, 主任研究員 (10409667)
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キーワード | 点字 / 触読 / 触読支援具 / 点字学習者 |
研究概要 |
本研究では、UV点字の触読性向上を目指し、点字触読支援具に用いる素材の検討を行うこととした.具体的には、「曲げ剛性」「摩擦抵抗(動摩擦係数)」「表面粗さ」の3つの評価指標を用いて適切な素材を選定した.著者らの先行研究において、ポリエステル長繊維不織布(以下、不織布)で触読性は有意に向上することを示したが、実用化を想定した場合に素材の耐久性が懸念された.そのため、薄く柔らかいという基準に基づいて朱子織物と絹織物を用意し、これらの素材の硬さ(曲げ剛性)と滑り易さ(平均動摩擦係数、表面粗さ)を測定し、不織布と比較をしながら、点字触読支援具に用いる適切な素材の検討を行った.その結果、曲げ剛性で顕著な差はないが、平均動摩擦係数と表面粗さで良い結果が得られ、主観的にも触感の良かった朱子織物を点字触読支援具の素材として用いることとした.そして,独自に開発した点字触読支援具作成装置を用いて朱子織物と不織布の各素材で指サック形状の点字触読支援具を作成し、着用効果を検証した.その結果、不織布よりも耐久性に優れた朱子織物製の触読支援具は、従来の不織布製と同等の触読性を確保できていることが明らかとなり、点字触読支援具の現場への実用化に向けて有用な知見を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
点字触読支援具の作製とその評価を計画通りに行うことができているため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は研究成果発表等に工数をかけた.最終年度に本年度の研究成果をまとめ,点字触読支援具を提供できるような環境整備に努める.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に行う実験と年度末に予定していた実験を一緒に行う計画にしたために次年度使用額が生じました.大切に使用し,目的の実験を適正に行って参ります. 次年度使用額149,770円については,実験準備や実験推進のための人件費として120,000円,点字触読支援具の材料費として29,770円を計上する予定である.
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