研究課題/領域番号 |
24650364
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研究機関 | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
島田 裕之 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 自立支援開発研究部, 自立支援システム開発室長 (00370974)
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キーワード | 軽度認知障害 / スクリーニング / 早期発見 / 高齢者 / 地域 / 質問紙 / 介護予防 / MCI |
研究概要 |
本研究の目的は、在宅に居住する高齢者の認知症や軽度認知機能障害(mild cognitive impairment: MCI)を早期に発見するためのシステムを開発することである。認知症の予防や悪化予防のためには、介護予防事業や病院受診までの期間を短縮する必要があるが、認知症のリスクの確定は必ずしも早期に実施されていない。そこで本研究では、認知症を早期に発見することを目的としたコホートを新規に立ち上げ、簡便に調査可能な質問調査法を開発し、MCIの判定に対する感度と特異度を大規模調査結果から算出して、指標の妥当性を検討することとした。 地域在住高齢者1122名のデータを用いて、13項目の質問調査の合計点(満13点)からMCI判定のカットオフポイントと感度、特異度の算出のためROC解析を実施した。対象者の年齢は、平均71.7±5.0歳であり、男性が519名(46.3%)であった。これらの対象者のうち、364名(32.4%)の高齢者がMCIと判定された。ROC解析の結果、曲面下面積は0.522であり有意性は認められなかった。カットオフポイントとしては、12点の時に感度が20%、特異度が83%となった。これらの結果は、本指標においては地域在住高齢者を対象とした場合に天井効果となり、MCIを早期に発見するには、設問の難易度が易しすぎた可能性が高いと考えられた。今後は、設問の難易度を高める工夫や、回答を2件式ではなく、頻度等を回答する4件式程度の回答方法にする必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究を実施する上での症例数の確保、調査の実施、分析は順調に進行している。ただし、今回開発した質問紙のMCIに対する感度が低く、難易度の高い質問内容を再検討する必要性が生じた。そのため、質問紙を再度作成する必要があるため、縦断調査に移行する時期が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
地域在住高齢者10000名のデータベースを活用して、再度質問調査の組み合わせを再分析する。設問の採択をするにあたっては、地域在住高齢者における通過率が80%程度であること、回答方式が2件式以上の項目を優先して選択して指標の開発にあたることとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ整理が順調に進み、謝金の金額が計画を下回ったため。 質問調査の再作成にかかる経費に充当する。
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