睡眠の動的制御機序の背後にある複数の振動子の性質を検討した。その結果、睡眠圧の増加によってより深い睡眠への遷移が促進、より浅い睡眠への遷移が抑制され、覚醒、Stage1、Stage2の間の遷移動態が変わることが示唆された。またStage2から他の睡眠段階へ遷移する直前での脳波には、深い睡眠または浅い睡眠へと遷移する直前に、睡眠の維持または覚醒と関連するとされる特徴的な脳波がそれぞれ生じやすくなることが示唆された。これらの結果を基盤として、Stage2の動的制御と関連する複数の結合振動子による睡眠全体の動的構造のモデル化、さらには睡眠障害の要因特定・機序解明等につながる可能性があると考えられた。
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