研究実績の概要 |
武道は、世界中からその文化性に関心がもたれ、多くの外国人実践者が武道の文化的な知識を得るために来日している。この状況を鑑み、本研究は、逆に我々が海外に赴いて、現地において武道の文化特性を発信できないかという試みである。武道学を中核となって主導する日・欧の学者と一流の実技指導者が叡智を結集し、あえて未だこの分野において未開拓な東欧において、剣道をモデルとしながら、武道文化に関する発信拠点を形成する。具体的には、文武両道を標榜した「ユーロ武道アカデミー」を、日本人学生の研修(海外武者修行)とリンクさせつつ、構築しようとする挑戦である。 主に東欧ハンガリーを拠点とし、エトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)、タンカプヤ仏教単科大学、センメルヴァイス大学(現在はハンガリー体育大学)と協定を締結し、この3大学からなるコンソーシアムで今後「ユーロ武道アカデミー」を展開していく基盤を築いた。「ユーロ武道アカデミー」における文武両道プログラムの試行として、2014年7月に開催された剣道ハンガリーカップにおいて実技指導ならびに日本文化講演を行った。またこの際、研究成果物としての映像教材DVD「The heart and technique of Kendogu Craftsmen」を上映し、好評を得た。さらに日本人学生の研修(海外武者修行)として、学生4名を同行させ、プログラムに参加させた。 「ユーロ武道アカデミー」の教材として、以下の英語ならびにハンガリー語の著書を執筆し出版した。 A japan kendo tortenete.Forum for Budo Culture,1~192頁,2014.3.4(ハンガリー語教材) Ideology of the Sword : A Spiritual History of Japanese Culture. Nippon Budokan,1~252,2014.12(英語教材)
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