研究課題/領域番号 |
24650369
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長谷川 聖修 筑波大学, 体育系, 教授 (10147126)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 被災地 |
研究概要 |
初年度の課題①現地調査として,茨城県北茨城市常北中学校と同市立精華小学校を訪問した.そこで,担当教員から被災後の児童・生徒の実態についてインタビュー調査を実施した.これに基づき,具体的な対応課題等について意見交換を行い,本研究のフィールドとして可能な範囲と実施内容を検討した.常北中学校では,体育の授業としてGボールを用いた体つくり運動を実践することとなった.また,精華小学校では,親子でのイベント活動として,JPクッション・スクーターボード・Gボールなど遊具を用いた体験活動を指導することとなった. 課題②教材開発としては,常北中学校では,授業における展開となったので,教材としての位置づけからまずは生徒たちがGボール運動に馴染むことに重点をおいて指導内容を構成した.そのため,難しい運動課題は避けて,乗る・弾む・転がるといったシンプルな動作を中学生好みの音楽(嵐「ONE LOVE」)のリズムに合わせて指導した.授業前後における気分尺度の調査では,活性度が上昇する傾向が明らかになった. 精華小学校では,北茨城市の教育委員会の呼びかけで集まった近隣の小学校の親子を対象に,遊具を用いた運動を指導した.ピョンピョンランド,スーパーマンランドなど,子どもたちにイメージを持たせた運動空間を設定した。つまり、指導するというよりは,遊具の特性に合わせて,親子で自由に遊べる雰囲気を大切にした.その結果,子どもたちを対象に調査した気分尺度における活性度は顕著に上昇することが明らかになった. 今年度は,北茨城市の小学校・中学校において,Gボールなどの遊具を用いた教材開発を行い,遊戯的な運動プログラムを取り入れるフィールドづくりを中心に展開した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査と指導内容の検討という点では,北茨城市を中心に活動を進めることは出来た。しかし、当初予定していわき市や石巻市など他の地域への調査までには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の申請予算が削減されたこともあり,同時に3カ所での調査と指導実践は厳しい状況である.現在,研究実施に理解を得られた北茨城市を中心としてまずは「動き豊かな学校づくり」の実現に向けて取り組みたい.このモデル構築での知見を基本として,他の地域における活動への発展も視野に入れたい
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次年度の研究費の使用計画 |
北茨城市を中心に,Gボールなど各種用具を活用した運動プログラムの普及に努める.この指導における心理変容調査などを実施して,学会等で発表する予定である.
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