研究課題/領域番号 |
24650371
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
菊原 伸郎 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90319591)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 運動環境 |
研究概要 |
本研究助成を受け、初年度は本学サッカー場を研究使用により運動者と天然芝の養生を行った。研究計画書では、2000㎡分のティフトン419のターフを購入し、専門家がいなくとも比較的安易に養生できる計画を立てていたが、今回は、安価で養生がしやすいティフトン419の苗(ストロン)を6,000㎡分購入し実験を試みた。 本実験結果については、養生を始めた時期が8月1日と当初の計画より遅れたことと、苗の植え付け後の1ヶ月の間で雨が1日しか降らなかったことが影響し(水不足)、予定どおりの芝生養生が進まなかった。その後は、雨(台風やゲリラ豪雨)の頻度が多少増えたことにより、芝生の養生が成功し、無事に芝生の根がグラウンドに根付き全面を覆うには至らなかったが次年度の夏に完成する目処が立った。 本実験で明らかとなった点は次のとおり2つ挙げられる。一つは、芝生の生育に必要な水については、上からの雨と散水だけでなく、地面の下にある水分の存在が改めて理解できたこと。これは、芝生植え付け作業後3週間の水やりが全体にわたり不十分であったにも関わらず根が付いたことから証明することができる。それから、芝生の植え付け作業、土入れ作業、水撒き作業等、人的なマネジメントを計画的に行うことで、広大な敷地(6,000㎡)への芝生植え付けが可能となること。ただし、ここで注意すべき点は、グラウンドの勾配に関する課題があり、今回は、グラウンド中央部を最も高くし、グラウンドを囲んでいる排水溝へ向かって勾配をつけることだけを作業ポイントとした。 本実験で使用したティフトン419は夏芝品種は、人工芝と異なり芝生は植物(生きもの)であるため、外的な影響(気温:日当り、水分、風通し)を受けて育つため、専門家がいなくとも芝生の特徴とグラウンド環境に適した養生を工夫することで、誰にでも芝生の養生は実現可能となることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における初年度の芝生養生に関する達成度は、研究代表者の体調不良に伴い、実験開始時期が当初より遅れたことが原因で芝生の生育がやや遅れている。ただし、異なる運動環境における実験を行う今夏には、予定どおり芝生の生育が進む目処は立っており問題なく実験は進んでいる。 また、芝生養生実験に関する課題として、上記の研究業績の概要でも触れているが、実験開始時期と外的な要因により謝金の不足と敷地面積に応じた乗用式芝刈り機の購入ができていないため、初年度の予算を本年度に繰り越し、物品および謝金の計画を見直している現状がある。 旅費が伴う調査研究に関しては、時間的な問題で、芝生に関する視察(海外および国内調査)を初年度に行うことができていないため、この件に関しても、2年目の本年に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究における芝生養生維持管理に関して、本学がサッカー場への散水栓設備を備え付けてくれたことにより、芝生に関する水不足の問題は解消することができている。芝生の養生維持管理に関しては、これから、芝生が根付いていない裸地に対して移植作業を行い、運動実験を行う8月までに芝生のグラウンドを完成させていく。 これから芝刈り作業が頻度を増してくることが予想されているので、課題として芝刈り機の導入(購入またはリース)を進め作業を行い芝生の維持管理の問題点を調査していく。 異なる運動環境での運動者の実験研究に関して、被験者を一般に希望を取り集めていく。それと同時に国内外の芝生維持管理の調査研究を行い、芝生維持管理の費用対効果に関する実態を把握して今後の研究へ反映させていく。 本年度は、本研究成果を学会等で発表し、屋外施設のより良い環境整備に示唆していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度も昨年度(初年度)同様に芝生の養生維持管理に残金の50%ほどを充てていく。特に芝刈り機に関する費用と土、そして、謝金に関する計画を限りある予算の中で有効に使用していく。 旅費に関しては、初年度使用していない分を本年度使用する計画がある。
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