本研究の主な目的は、学校体育の領域「体ほぐしの運動」の背景理論とされるソマティクスの提唱者T.ハナの著述および日米4つのボディワークより、自己調整をもたらすソマティック学習の原理とプロセス、及びその指導事例を明らかにすることである。結果、ハナの説明するソマティック学習のプロセスは気づきの投射が引き金となり、学習者自身の快の感覚を推進力として進むとされ、その原理とは気づきと共同運動にあると指摘できた。この「気づきの投射」は、「体ほぐしの運動」における振返り活動としての気付きとは異なるものであり、自己調整がもたらされる鍵と考察された。
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