研究課題/領域番号 |
24650379
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
佐川 正人 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10196115)
|
研究分担者 |
森田 憲輝 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10382540)
中島 寿宏 北海道科学大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10611535)
山津 幸司 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (90299579)
|
キーワード | 学力 / 体力 / 評定 / 小児 / 青少年 / 学業成績 |
研究概要 |
本研究課題は,1)体力と学業成績の関連性を横断的および縦断的研究に調査し、関連性を示す場合には,その基盤となるような社会環境要因や心理的要因そして生理学的な要因などについて検討する.さらに、2)学校教育・学校体育の中での両者の相互作用をポジティブな方面に作用させる方法論の模索、一方その阻害要因と考えられる“運動嫌い”を生み出す要因の解明を試みるものである. 平成25年度は,初年度(平成24年度)で収集したデータの入力作業および横断的な解析を行った.アンケート調査および新体力テストデータ,評定については9校の公立中学校から収集され,そのうち社会経済的要因(世帯収入や保護者の学歴など)を補正するためのデータも整ったのは今年度では4校であった.これらのデータを用いて,体力テスト得点と評定の関係性,それらへのモチベーション要因の関係性,運動部活動への参加状況,肥満の影響などについて検討を行った. また,第2学年に進級した前年度と同一の生徒たちの生活習慣等のアンケート調査,新体力テスト・評定についても追跡してデータ収集を行った. 初年度の横断的データを用いての検討では,中学1年生時点においては体力テスト得点と評定値の合計には正の関連性が認められ,肥満は評定値の合計に負に作用する可能性が示唆された.他方で,運動部活動への参加,運動習慣の有無も評定合計値に正に作用する可能性が示唆された.モチベーション要因については評定合計値への影響は認められなかった. 次年度以降は,縦断的な解析が可能となるので,横断的な解析も進めつつ,縦断的な解析を行い,得られた知見を積極的に公表する予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は初年度(平成24年度)に調査した生徒の追跡調査の実施,そして初年度データの解析を予定しており,当初予定通りに研究が進行しているため.
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度が最終年度であり,かつ初年度1年生であった生徒も3年生となり追跡調査の最終年度でもある.この追跡調査を協力校と連携し実施する.また,データの分析も進め,成果公表も並行して実施する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由のひとつとして,本年度の調査が年末にずれ込んだことが挙げられる.協力校の都合上,アンケート調査データの回収が遅れ,その結果としてデータ入力業務の一部分は年度内で依頼・完了したが,まだ回収・依頼できていないデータ項目もあり,それが影響している. 前年度入力が済んでいないデータについての入力業務(項目:その他)によってその大部分を使用し,残額を学会発表旅費や縦断的解析を行うための専門統計ソフトの購入として使用することを予定している.
|