研究課題/領域番号 |
24650381
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長谷川 泰久 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70303675)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | Assistive device / Running |
研究概要 |
身体装着型免荷装置プロトタイプの設計・製作を完了した。この免荷装置の機構は、装着フレームAとBは互いに回転ジョイントで接続され、それぞれのフレームを身体の腿と脛に固定する。サポートフレームAとBも互いに回転ジョイントで接続されているが、サポートフレームAの上端は腰フレームに回転ジョイントで接続され、サポートフレームBはバネを介して床と接触する。サポートフレームAは、装着フレームAに2本のリンクで固定されており、装着フレームBの下端は、サポートフレームBに設けられたガイドレール内をスライドする。各フレームを体幹、腿および脛に固定する器具は、免荷装置のセーフティーハーネスと膝関節装具を修正して利用した。 この機構により、装着者の体重の一部が腰フレームからサポートフレームA,Bを経由して床に伝わることで、体重の一部が免荷され、装着者の支持脚の負担が軽減されること、軽量であることを確認した。 また、所属する研究科にて研究倫理審査請求を行い、被験者実験が承認された後、この身体装着型免荷装置を被験者が装着し、自由に着地位置(歩幅)や歩行周期を調節することができ、また、支持脚の膝関節の屈曲や足関節の底屈・背屈が自由に行うことができるため、バランス制御も通常の走行と同様に行うことができることを確認した。 しかし、膝関節部位の回転ジョイントを、支持脚時は固定し、遊脚時には自由にするメカニカルロック機構の作動が、人の走行時の揺らぎによって、適切に行われないことがある問題が生じた。これにより、走行実験を中断し、メカニカルロック機構の改良を行うことに注力し、製作した身体装着型免荷装置を用いた走行時の詳細なデータを計測するに至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展している。具体的には、計画通り身体装着型免荷装置プロトタイプの設計・製作を完了し、実際に被験者実験を行い、一部ではあるが性能確認した点。しかし、上述のメカニカルロック機構の作動不良の発生が問題となり、詳細なデータ計測まで実現していない点が残念である。
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今後の研究の推進方策 |
現在問題となっているメカニカルロック機構を電子化し、確実にロックとフリーの切り替えが行えるように改良した後、身体装着型免荷装置を装着した際の詳細なデータを計測し、評価を行う。また、平地以外にも階段やスロープに対応できるように回転ジョイント部にカム機構を加えるなどの対策を検討し、設計、製作する。更に、同様の評価実験により、階段を下りる際やスロープを下る際には着地時の運動エネルギーを吸収することができることを確認する。特に降下時の膝関節の衝撃的な外力が大幅に軽減され、膝関節痛の予防や軽減が期待される。 また、人が容易に装着でき、安心・快適に走行できるための装着性についても検討を進める。目標とする性能が得られない場合には、装置の改良を行い、再度、実験・評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
メカニカルロック機構を電子化するために、部品および加工費(800,000円)、平地以外にも階段やスロープに対応できるようにカム機構の部品および加工費(400,000円)、また、走行実験を行うためにディスポ電極や校正ガスなど消耗品を(300,000円)程度予定。
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