本研究では,カヌースプリント・カヤック種目における,水上パドリング動作を筋放電の様相から捉え,エルゴメータでのパドリングとの相違や,水上パドリングの「うまさ」を検討することを目的とした. その結果,エルゴメータパドリングでは,広背筋や外腹斜筋の筋放電様相において,パドリングの特徴を3つに分類することができた.水上パドリングでは,艇のバランスを取りながら力発揮が行われるため,パドリング中,継続的に各筋群に筋放電が見られた.推進力に必要のない動作場面でいかに,それぞれの筋群の筋放電が抑制されるかが,「うまさ」と関係すると推測された.しかし,水上パドリングの事例は、2例しか収集できていない.
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