研究課題
肉離れは、身体運動時の伸張性収縮時に生じやすいと言われているが、なぜ“特定の二関節筋”の“特定部位”で生じやすいのかは明らかになっていない。本研究では、筋力発揮時の二関節筋特有の筋活動、およびレジスタンストレーニングによる筋肥大の二関節筋特異性に着目し、実験を行った。実験1では、大腿四頭筋(内側広筋、外側広筋、大腿直筋)を対象に、膝関節伸展および股関節屈曲筋力発揮中に、各筋の複数箇所から筋電図信号を導出し、その大きさを比較した。その結果、膝関節伸展筋力発揮時はいずれの筋においても筋活動は筋内でほぼ均一であったのに対し、大腿直筋が関与する股関節屈曲筋力発揮時には遠位部と中央部・近位部が別々に制御されており、中央部・近位部の方が活動が大きい事が明らかとなった。実験2では、膝関節伸展によるレジスタンストレーニングによる筋形状の変化の筋間差および筋内部位差について検討した。その結果、二関節筋の大腿直筋の筋肥大率は単関節筋の筋肥大率よりも大きかった。また、大腿直筋内においては、レジスタンストレーニング中の筋活動に部位差は見られなかったが、筋酸素動態は部位によって異なることが明らかとなった。また、12週間のレジスタンストレーニングによる筋肥大率は遠位の方が大きかった。これらの結果は、身体運動時には二関節筋特有の筋活動が存在すること、また、筋活動が同程度であっても筋内の酸素動態や筋に掛かるメカニカルストレスは部位によって異なることを示唆している。
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Clinical Physiology and Functional Imaging
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10.1111/cpf.12023
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