研究課題/領域番号 |
24650397
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
佐々木 実 豊田工業大学, 工学部, 教授 (70282100)
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研究分担者 |
KUNDU Subrata 豊田工業大学, 工学部, 研究員 (00621327)
熊谷 慎也 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (70333888)
齊藤 満 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (80126862)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ウェアラブルセンサ / 呼吸センサ / 容量 / 無拘束 / スポーツ |
研究概要 |
人体を挟んだ電極で形成する容量計測式のセンサの研究を以下のように進めた。 (1)製作したウェアラブル呼吸センサの設備としての高度化を進めた。まず、容量検出が胸部と腹部の2箇所で可能となるように2チャンネル化した。測定データが同時に得られるようになり、波形が異なるなど、別の信号が得られていることを確認した。特に、胸部と腹部とでは変化の仕方が逆になることが分かった。また、バッテリ駆動でZigbeeを利用した無線による信号転送を実現した。パソコン画面上にデータ値が表示されて流れる状態であるが、それを記録してグラフ化し、有線の場合と同じように得られることを確認した。有線タイプのセンサユニットを齊藤満教授に提供した(不具合の修理に1度対応した)。実際に製作したセンサを着て、ある学生に3時間睡眠をとってもらったところ、無呼吸になっていると思われる様子もデータから判断が付いた。 (2)スパイロメータで得られるFlow-Volumeカーブにどれだけ近いカーブを本方式で出せるかを調べた。Flowについては、容量信号の時間変化に該当させた。衣服ではなく、皮膚に直接電極を貼り付けた(サロンパスのような電極固定)。6分間の呼吸信号測定前後で、深呼吸した際の信号ベースがほぼ同じで信号ドリフトが少ないことを見出した。さらに、腹よりも胸に貼り付けた電極から得られる信号の方が、Flow-Volumeカーブに近いものを示すことを見出した。その際には、現在の自作回路の時定数が最適ではないことも明らかとなり(今後改良していく)、購入設備であるインピーダンスアナライザを用いて容量信号測定を行った。 並行して、学会発表と雑誌論文投稿を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
センサの高度化を進めることができた。デモンストレーションも行え、藤満教授に1つを提供することもできた。また、無線タイプのセンサユニットもできた。実践的な計測は、睡眠時の無呼吸チェックを行った程度であるが、様々な計測ができる下地はできてきた。また、雑誌論文も掲載された。2013年春の応用物理学会に投稿したところ、注目論文として取り上げられた。以上から、おおむね順調に進んでいると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
様々な運動時の呼吸信号を測定していく。無線化したシステムも積極的に利用する。センサユニットの容量計測用のハードウェアについては、ダイオードを利用した単純な整流回路を利用しているため、センサ出力信号の時定数がダイオードのON/OFFで変わってしまうことが信号解析を難しくすることが分かった。これを修正していく。 なお、Kundu研究員の渡米の後、現在は研究室のPD研究員を公募している。本人の希望も配慮するが、本研究に参加するように検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
引き続き、齊藤満教授と協力して進める。齊藤満教授の予算額を増やしたのは、屋外でセンサユニットを利用してデータを収集できるようにするために、壊れにくいパソコン等を用意するためである。佐々木および熊谷はセンサユニットの製作や改良等を引き続き進めていくための予算を計上した。
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