研究課題/領域番号 |
24650397
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
佐々木 実 豊田工業大学, 工学部, 教授 (70282100)
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研究分担者 |
KUNDU Subrata 豊田工業大学, 工学部, 研究員 (00621327)
熊谷 慎也 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (70333888)
齊藤 満 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (80126862)
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キーワード | ウェアラブルセンサ / 呼吸センサ / 容量検出 / 無拘束 / スポーツ / 周波数特性 |
研究概要 |
提案検出方式で、容量が呼吸に合わせて変化する原理解明が、実践応用やデータ解析には不可欠との指摘を受け、原理検証を意識したモデル実験、様々な被験者条件での実験を行った。手作りの容量計測センサユニットについて、出力信号の時定数がダイオードのON/OFFで変わってしまうことが昨年度問題と分かったため、市販の容量測定装置を利用することとした。周波数特性(安全基準を照らし合わせて50k-5MHzの範囲)では、位相も合わせて測定した。Tシャツ裏側に固定した電極では体由来の信号ではなく、体-衣服間ギャップが信号源ともなり紛らわしいため、検証実験は導電性布電極を伸縮性スポーツテープで体に密着して貼り付けて測定した。 (1)体を単純に水や空気として電極配置から計算した容量と比較すると、計測容量値は大きく異なることから、電極間の平均的な比誘電率を測定している訳ではないことを示唆した。(2)体動や姿勢の変化が、容量信号を変化させることを確認した。電極から離れた部分の動きは影響がほぼ無いことも分かった。(3)空気の出入りを止め、肺-腹間で空気を移動させると、位相に明確な変化が現れた。(4)ほぼ1/fの周波数依存性が複数の被験者で観察され、信号は主として容量性であることを確認した。(5)周波数がMHz以上に高くなると、容量性から誘導性(利用したケーブル類の性質とも考えられる)に変化することが多く(被験者にも依存)、呼吸測定は数100kHzで行うことが好ましい。(6)測定の際に全身を導電性布で覆うと、測定値が安定し易い。 原理解明には至っていないが、センサ構成を改良する機器類のノウハウも得られた。 また、齊藤教授グループは佐々木らが提供したセンサ(部品を一部修正)を使って、運動時の呼吸信号測定実験を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究テーマを進める予定の学生が完全に不登校となり、PD研究員も該当者が無い状態が続き、豊田工業大学の教員が実務に時間を割く対処法では、研究遂行の人的資源が不足した。年度後半には、学生の復帰による研究再開を図る方針から、別予算にてアルバイトの方を雇用して研究を進める方針に切り替えた。これによりデータの蓄積が進み、方針が得られるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度5月現在、人的資源に問題は無く研究を進めている。昨年度蓄積したデータの一部を学会発表するべく投稿したところである。 今後は、様々な信号の傾向を基に、測定原理を解明し、センサのハードウェアに反映させる。体動の影響を少なくすると同時に、適用範囲を明確にした、ウェアラブルセンサを実現する。このために、衣類と組み合わせる部品類や構成の仕方を明確にする。 実践的な応用を齊藤教授グループと相談しつつ検討する。
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