研究課題/領域番号 |
24650398
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
石井 好二郎 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30243520)
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キーワード | トレーニング科学 / ランニング / 乳酸閾値 / ストライド |
研究概要 |
日常的にランニングを愛好し,フルマラソン完走を目的とする市民ランナーを被験者とした。実験当日の体調やデータが完全な者を抽出した結果,最終的に32名が分析対象となった。 実験は陸上競技場400mトラックで行われた。被験者はマラソン目標走行速度付近を中心(3セット目)とした1000m漸増走を5セット実施した。安静時と各セット終了後すぐに心拍数とRPEを記録した。血中乳酸濃度は安静時,各セット終了後に簡易乳酸測定器を用いて測定した。300m,700m地点に高速度ビデオカメラを設置し,撮影した映像における被験者のストライドとマーカーの比率から,走行中のストライドを求めた。 得られたLT時の走速度・心拍数と,セットごとのストライド・心拍数から「予測最大ストライド」「予測LT時ストライド」「推定LT時ストライド」「推定LT時走速度」を算出し,関連を検討した。それぞれの予測値・推定値の求め方は以下の通りであった。セットごとの心拍数とストライドから回帰式を作成し,そこに各被験者の(220-年齢)心拍数を代入し,予測最大ストライドを算出した。セットごとの心拍数とストライドから回帰式を作成し,測定で得られた各被験者のLT時の心拍数を代入し,予測LT時ストライドを求めた。各被験者の予測最大ストライドに対する予測LT時ストライドの割合を算出し,平均値を求めた。すなわち,各被験者の予測最大ストライドの平均値を推定LT時ストライドとした。セットごとの走速度とストライドから回帰式を作成し,上記,推定LT時ストライドを代入した値を推定LT時走速度とした。 ストライドと心拍数による推定LT速度は実測LT速度と高い相関を示した(r=0.733,p<0.01)。また,非観血な運動指標として多用されている,心拍数や主観的運動強度(RPE)による推定LT速度と比較しても,その相関は高く,誤差も小さいものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の実父に,昨年6月,喉頭ガンが見つかり,その後,入院・手術を受けた。 また,同じく実父が9月には胃粘膜腫瘍からの出血が原因の虚血性心疾患で入院し,10月には要介護2と認定された。研究代表者は実父の介護を行ないながらの研究活動を遂行しなければならなかった。これらに追われ,研究はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
GPS等を使用してのストライド判定方法に挑戦し,さらに簡便な推定LT時走速度の可能性を求める。被験者や実験の実施場所もほぼ確定している。データ分析の遅れ等もアルバイト等の採用によって迅速に進めていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者の実父に,昨年6月,喉頭ガンが見つかり,その後,入院・手術を受けた。 また,同じく実父が9月には胃粘膜腫瘍からの出血が原因の虚血性心疾患で入院し,10月には要介護2と認定された。研究代表者は実父の介護を行ないながらの研究活動を遂行しなければならなかった。これらに追われ研究が遅れた結果,次年度使用額が生じた。 研究の遅れを取り戻すべく,スポーツ科学の国際学会にて最新の情報を収集する。また,アルバイト等の採用により,迅速な研究遂行を進めていく。
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