研究課題/領域番号 |
24650403
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研究機関 | 独立行政法人国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター |
研究代表者 |
岡島 成行 独立行政法人国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター, その他部局等, その他 (60316338)
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研究分担者 |
関 智子 独立行政法人国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター, その他部局等, 主任研究員 (20347834)
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キーワード | 自然体験 / 野外活動 / 指導者 / コーチング |
研究概要 |
わが国の自然体験・野外活動における指導者育成の統一制度は整備中の段階にある。そこで本研究は、先行研究が少ない上級指導者育成に着目し、このテーマを起点としてシステムづくりに必要な基礎概念について考察することを目的にした。 方法は1)コーチングに関する文献調査 2)過去に先進的な育成事業を展開したことがある主導者へのヒアリング調査 3)専門家の講義を導入した研究会での課題検討4)上級指導者における指導上の課題を明らかにするためのアンケート調査、の4アプローチであった。なお、2)は元全日本スキー連盟教育本部長2名を対象とし、3)の講義はビジネスコーチング専門家、サッカーコーチング専門家、野外教育コーチング専門家が行った。また4)は自然体験活動推進協議会登録のトレーナー312名を対象とし、117名(有効回答率37.5%)からの回答をもとに集計と分析を行った。 その結果、1)上級指導者とは単に知識や技術を教える者ではなく、指導哲学や理念を軸に幅広い視野から課題にあたる者のことを示すこと 2)その指導技能は言語技術に優れていることが望まれ、特に論理的な研鑽が必須であること 3)アンケート調査によると、上級指導者は多面的な自然体験・野外活動を扱う上での多様で複雑な課題を自覚しており、その解決に意欲的であった。したがって、良質な問いとフィードバックを個別に与えることから相談者の論理構築を促すコーチングは、上級指導者の課題解決に有効に働くことが考えられること、以上の3点が明らかになった。さらにシステムづくりの要件として、理念と共に理想とする上級指導者のあり方を明示することからシステム構築を行うこと、また指導者の存在意義は活動への幅広い参加者の上に成り立つ視点に立ち、活動の普及は指導者育成と表裏一体の事業として位置づけられるべきであることが明らかになった。
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