本研究は、公開音響特徴量を用い、①心理的タスク下の対照研究、②実生活に近い状況での縦断観察研究、③精神疾患患者を対象とした研究、の3研究を段階的に行い、それぞれ多面的にストレス尺度と音声情報を測定し、客観的な音声によるスト レス測定技術を開発することを目的に2年間実施した。 その結果、心理的タスク群におけるメル周波数ケプストラム係数の有意な変化、「不安」と基本周波数(F0)、「緊張」と第1フォルマント(F1)、「抑うつ」と音量の有意な相関を得た。しかし縦断観察では、心理尺度と高い時間的相関が得られた音声パラメーターは見出せず、精神疾患患者の対照研究を継続し、今後ストレス検出技術の開発を図る。
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