研究課題/領域番号 |
24650418
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西嶋 尚彦 筑波大学, 体育系, 教授 (50202239)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 運動能力 / 運動機能 / 達成度評価 / 適応型テスト / コンピュータテスト / 体育評価規準 |
研究概要 |
【目的】「運動ができるようになる」習熟過程での子どもの「運動機能習熟を絶対評価」する適応型コンピュータテスト方法を構築する.様々な困難度の運動学習にみられる個人の「運動機能成就パターンデータからの運動能力の絶対評価基準の推定」に挑戦する.小学校体育領域で学習する大量の運動を機能項目に分解し,項目反応理論(item response theory: IRT)による絶対評価テスト技術,個人の能力水準に適合した質問を選択していく適応型テスト技術,第3世代のコンピュータテスト技術,動画データベース技術を適用する.体育各単元で習熟する運動に共通する運動機能項目の絶対評価基準を構成し,それを用いた動画質問による適応型コンピュータテスト方法を開発する.従来の走跳投の運動能力テスト方法とは異なる新しい運動能力の絶対評価方法である.【対象】小学4年生から6年生の男女計312人前後であった.【調査項目】各運動のテスト項目は「できる/できない」の合否判定尺度を用いて構成した.器械運動系はマット17種目99項目,鉄棒15種目84項目,跳箱7種目49項目,陸上運動系は4種目32項目,水泳系はクロールと平泳ぎで9種目59項目,ボール運動系は,サッカーの技術と戦術で62項目,程度で構成された.【成果】小学中・高学年用の絶対評価基準を分析し,適応型コンピュータテストのアルゴリズム構成に必要なパラメータを分析した.1)体育年間単元で学習する運動課題ごとに運動機能の測定項目を構成した.2)運動局面の分解画像質問を新規に作成し,運動機能成就質問紙を作成した.3)項目反応理論(IRT)の数理モデルを適用して,運動機能成就パターンデータから項目特性を分析した.4)体育で習熟する運動機能の絶対(達成度)評価基準を構成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【測定対象】小学校の協力を得て,小学4年生から6年生の男女計312人前後を対象に測定を実施した.【手順】7ステップの手順のうちの4ステップまで進行した.1)体育年間単元で学習する運動課題ごとに運動機能の測定項目を構成した.2)運動局面の分解画像質問を新規に作成し,運動機能成就質問紙を作成した.3)項目反応理論(IRT)の数理モデルを適用して,運動機能成就パターンデータから項目特性を分析した.4)体育で習熟する運動機能の絶対(達成度)評価基準を構成した.【調査項目】各運動のテスト項目は「できる/できない」の合否判定尺度を用いて構成した.ボール運動系はサッカーの戦術機能項目を新規に作成して,サッカーの技術と戦術で62項目から構成した.器械運動系はマット17種目99項目,鉄棒15種目84項目,跳箱7種目49項目,陸上運動系は4種目32項目,水泳系はクロールと平泳ぎで9種目59項目,程度で構成された. 【データ分析】運動機能成就テストデータに基本2値モデルの項目反応理論(IRT)分析を適用して,テスト項目の一次元性と適合性,テスト項目特性曲線(ICC) ,テスト項目特性値と能力推定値の不変性,テスト項目情報量(IIF),テスト特性曲線(TCC),テスト情報量(TIF),テストの精度と信頼性,テストの併存妥当性を分析した.テスト項目特性値の推定にはベイズ推定法を用いた.テスト項目の一次元性分析には一因子分析とスクリープロットを用いた.
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今後の研究の推進方策 |
【課題】低中学年用の絶対評価基準を分析し,適応型コンピュータテストを構成する.【対象】測定データを追加する.小学1年生から3年生の男女計315人前後.【手順】ステップ7まで分析を進行する.1)体育年間単元で学習する全運動課題からテスト項目を系統分類する.2)新体力テスト8項目を測定し,体力テスト合計点とともに併存妥当性基準とする.3)運動局面の分解画像質問による運動機能成就質問紙を作成し,単元終了時に測定する.4)項目反応理論(IRT)の数理モデルを適用して,運動機能成就パターンデータからテスト項目特性を分析し,体育で習熟する運動機能の絶対(達成度)評価基準を構成する.5)新体力テストの体力合計点,走跳投の測定値を基準として併存妥当性を分析する.6)適応型テストアルゴリズムを構成し,全項目テストを基準とする妥当性と精度を分析する.7)動画質問による適応型コンピュータテストアルゴリズムを構築し,妥当性と精度を分析する.【調査期間】調査時期は対象校と相談の上,年間単元計画を考慮して決定する.【調査項目】各運動のテスト項目は「できる/できない」の合否判定尺度を用いて構成する.器械器具の運動遊び系は4種目27項目,走跳の運動系は4種目29項目,水遊び系は3種目21項目,ボールゲーム系は3種目21項目,程度で構成される.【データ分析】運動機能成就テストデータに基本2値モデルの項目反応理論(IRT)分析を適用して,テスト項目の一次元性と適合性,テスト項目特性曲線(ICC) ,テスト項目特性値と能力推定値の不変性,テスト項目情報量(IIF),テスト特性曲線(TCC),テスト情報量(TIF),テストの精度と信頼性,テストの併存妥当性を分析する.テスト項目の一次元性分析には一因子分析とスクリープロットを用いる.適応型テストの基準妥当性,コンピュータテストの妥当性を分析する.
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次年度の研究費の使用計画 |
【課題】低中学年用の絶対評価基準を分析し,適応型コンピュータテストを構成する.【対象】小学1年生から3年生の男女計315人前後.【手順】1)体育年間単元で学習する全運動課題からテスト項目を系統分類する.2)新体力テスト8項目を測定し,体力テスト合計点とともに併存妥当性基準とする.3)運動局面の分解画像質問による運動機能成就質問紙を作成し,単元終了時に測定する.分解画像作成経費,印刷費,データ入力委託費を計上する.4)項目反応理論(IRT)の数理モデルを適用して,運動機能成就パターンデータからテスト項目特性を分析し,体育で習熟する運動機能の絶対(達成度)評価基準を構成する.5)新体力テストの体力合計点,走跳投の測定値を基準として併存妥当性を分析する.6)適応型テストアルゴリズムを構成し,全項目テストを基準とする妥当性と精度を分析する.7)動画質問による適応型コンピュータテストアルゴリズムを構築し,妥当性と精度を分析する.運動機能項目の動画検索機能と絶対評価特性値のデータベース作成経費,PC経費を計上する.【調査項目】各運動のテスト項目は「できる/できない」の合否判定尺度を用いて構成する.器械器具の運動遊び系は4種目27項目,走跳の運動系は4種目29項目,水遊び系は3種目21項目,ボールゲーム系は3種目21項目,程度で構成される.【データ分析】運動機能成就テストデータに基本2値モデルの項目反応理論(IRT)分析を適用して,テスト項目の一次元性と適合性,テスト項目特性曲線(ICC) ,テスト項目特性値と能力推定値の不変性,テスト項目情報量(IIF),テスト特性曲線(TCC),テスト情報量(TIF),テストの精度と信頼性,テストの併存妥当性を分析する.テスト項目特性値の推定にはベイズ推定法を用いる.テスト項目の一次元性分析には一因子分析とスクリープロットを用いる.
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