【目的】「運動ができるようになる」習熟過程での子どもの「運動機能習熟を絶対評価」する適応型コンピュータテスト方法を構築する.様々な困難度の運動学習にみられる個人の「運動機能成就パターンデータからの運動能力の絶対評価基準の推定」に挑戦する.小学校体育領域で学習する大量の運動を機能項目に分解し,項目反応理論(item response theory: IRT)による絶対評価テスト技術,個人の能力水準に適合した質問を選択していく適応型テスト技術,第3世代のコンピュータテスト技術,動画データベース技術を適用する.体育各単元で習熟する運動に共通する運動機能項目の絶対評価基準を構成し,それを用いた動画質問による適応型コンピュータテスト方法を開発する.従来の走跳投の運動能力テスト方法とは異なる新しい運動能力の絶対評価方法である.【対象】小学1年生から3年生の男女計315人前後であった.【調査項目】各運動のテスト項目は「できる/できない」の合否判定尺度を用いて構成する.器械器具の運動遊び系は4種目27項目,走跳の運動系は4種目29項目,水遊び系は3種目21項目,ボールゲーム系は3種目21項目,程度で構成された.【成果】小学低・中学年用の絶対評価基準を分析し,適応型コンピュータテストのアルゴリズム構成に必要なパラメータを分析した.1)体育年間単元で学習する運動課題ごとに運動機能の測定項目を構成した.2)運動局面の分解画像質問を新規に作成し,運動機能成就質問紙を作成した.3)項目反応理論(IRT)の数理モデルを適用して,運動機能成就パターンデータから項目特性を分析した.4)体育で習熟する運動機能の絶対(達成度)評価基準を構成した.
|