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2013 年度 実績報告書

慢性腎臓病の新たな栄養指導法開発を目指したリン負荷指数の理論と技術基盤の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24650424
研究機関徳島大学

研究代表者

竹谷 豊  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30263825)

キーワードリン / 高リン血症 / 慢性腎臓病 / 食事療法 / 副甲状腺ホルモン
研究概要

近年、リン過剰摂取が慢性腎臓病患者のみならず健常者においても心血管疾患の危険因子と考えられており、食生活における過剰なリン摂取を回避するための栄養管理法の開発が求められている。我々は、食品毎に生体内でのリン利用率が異なることに着目し、食品毎の生体へのリン負荷度を「リン負荷指数」とし、その理論の構築と栄養管理法への適用法について、本研究で確立することを目標としている。
本年度は、健常者20名を対象に200mgのリンを含む様々な食品を摂取してもらい、食後の血清リン濃度、副甲状腺ホルモン濃度、尿中リン排泄量を測定し、血清リン濃度曲線下面積あるいは副甲状腺ホルモン濃度曲線下面積を比較し、リン酸ナトリウムを基準としたときの相対的なリン負荷指数を求めた。その結果、動物性食品と植物性食品の比較では、動物性食品において相対的に血清リン濃度ー時間曲線下面積が大きく、高いリン負荷指数を示した。リンの吸収率が高いと考えられた。また、副甲状腺ホルモンの分泌量は、血清リン濃度曲線に影響し、食後の副甲状腺ホルモンの分泌量の少ない食品では、腎臓でのリン排泄が促進されず、血清リン濃度が高く保持され、結果的に血清リン濃度ー時間曲線下面積がより大きくなること、すなわちリン負荷指数が高くなることを見出した。
以上のことから、健常者であっても摂取する食品毎に血清リン濃度やPTH濃度の上昇度が異なること、またそれを数値化することが可能となった。今後、リン負荷指数を取り入れた食事を継続的に摂取することで、体内のリン代謝などに及ぼす影響を評価し、リン負荷指数の妥当性を検証する必要があると考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Increasing dietary phosphorus intake from food additives: potential for negative impact on bone health.2014

    • 著者名/発表者名
      Takeda Y, Yamamoto H, Yamanaka-Okumura H, Taketani Y
    • 雑誌名

      Adv Nutr

      巻: 5 ページ: 92-97

    • DOI

      10.3945/an.113.004002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of nutrient transporters in lifestyle-related diseases.2013

    • 著者名/発表者名
      Taketani Y, Yamanaka Okumura H, Yamamoto H, Takeda E.
    • 雑誌名

      J Phys Fitness Sports Med

      巻: 2 ページ: 409-416

    • DOI

      10.7600/jpfsm.2.409

    • 査読あり
  • [学会発表] 食品中リンの生体利用率の評価2014

    • 著者名/発表者名
      松浦明香、竹谷豊、森西真由美、米田武志、山崎通世、勝本美咲、濵田康弘、武田英二
    • 学会等名
      第57回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      20140704-20140706
  • [学会発表] 食品毎のリン生体利用率の違いを利用したリン制限食の可能性2014

    • 著者名/発表者名
      竹谷豊、森西真由美、松浦明香、米田武志、山崎通世、勝本美咲、濵田康弘、奥村仙示、武田英二
    • 学会等名
      第2回日本腎不全栄養研究会 学術集会・総会
    • 発表場所
      新大阪ブリックビル(大阪府大阪市)
    • 年月日
      20140629-20140629
  • [学会発表] Emerging roles of sodium-dependent phosphate transporters in mineral metabolism, diseases and beyond.2013

    • 著者名/発表者名
      竹谷豊
    • 学会等名
      日本薬物動態学会第28回年会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      20131009-20131011
    • 招待講演
  • [学会発表] CKD-MBDの管理における食事性リン2013

    • 著者名/発表者名
      竹谷豊、山本浩範、奥村仙示、武田英二
    • 学会等名
      第58回日本透析医学会学術集会・総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県福岡市)
    • 年月日
      20130620-20130623
    • 招待講演
  • [学会発表] Health effect of phosphorus: cardiovascular disease and mortality.2013

    • 著者名/発表者名
      Taketani Y, Yamanka-Okumura H, Yamamoto H, Takeda E.
    • 学会等名
      8th Asia-Pacific Conference on Clinical Nutrition
    • 発表場所
      東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾート(千葉県浦安市)
    • 年月日
      20130609-20130613
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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