研究課題/領域番号 |
24650425
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
一宮 厚 九州大学, 健康科学センター, 教授 (90176305)
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研究分担者 |
熊谷 秋三 九州大学, 健康科学センター, 教授 (80145193)
林 直亨 九州大学, 健康科学センター, 准教授 (80273720)
中村 亨 東京大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (80419473)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究の目的は,身体活動の変調から,うつ病などの気分障害を早期に発見することが可能かどうかを,前向き調査を用いて検証することであった. 大学新入生の全数調査フィールドを用い,うつ病などのメンタルヘルスの変調・異常を早期に発見することを目的に,新規に開発された行動組織化解析の有用性と妥当性を検証する事を当初の目標としていた.その後,標準化された質問紙法による気分障害の評価と,身体活動量の記録を行動組織化解析指標との関連を,横断的・縦断的に調査する予定であった. 本年5月に,九州大学1年生のうち調査に同意した者全員を対象に,うつ状態検査用紙(CES-D)を用いたうつ状態の調査を行った.本調査で用いている活動量計をアクチグラフのデータに当てはめることが可能であるかを検討するために,アクチグラフを用いた身体活動量の記録と,活動量計をを用いた記録との比較を行った.すると,アクチグラフの記録に比較して,活動量計の記録の方がデータが粗く,行動組織化解析を行うことが困難であることが分かった.また,実際に解析を行ったところ,両者の値は一致せず,全数調査は不可能であるとの結論に達した. そこで,全新入生を対象とした横断的な調査を行う代りに,縦断調査をすることにした.3台のアクチグラフを購入し,データの安定性を確認した.その後,8名の大学生被験者を対象に,抑うつ状態検査と活動量データを得た.これらのデータは来年度にまとめて解析することとする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
従来利用していた測定装置の精度が,装置の改造を加えても予想を下回ったため,全数調査ができなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
大規模横断調査を予定していたが,達成困難なことが分かった.そこで,行動組織化解析と抑うつ状態の検査(CES-D)との関連を,縦断調査によって明らかにし,行動組織化解析の有用性と妥当性を検証することにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
被験者謝金および実験補助者の謝金に充てる. また,最終年度となるため,研究分担者との打ち合わせ(東京・福岡往復)にこれを宛てる. 平成24年度は実験遂行が遅れたため,残額が生じた.これについては遅れた実験を行うための実験補助者謝金および予定していた学会発表旅費に充てることとする.
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