研究概要 |
1. グレリン遺伝子およびグレリン受容体遺伝子と小児肥満の食行動・代謝について関連性があるかどうかを検討する研究を進めている。グレリン遺伝子およびグレリン受容体遺伝子の遺伝子多型解析(SNP解析)に必要なプライマーおよびプローべのデザインを行った。Ghrelin遺伝子については、海外の先行研究に照らし合わせて、解析すべきSNP数を5か所にした(rs27647, rs26802, rs696217, rs4684677, rs356839)。グレリン受容体遺伝子(GHSR-1a)については、解析すべきSNP数を4か所に設定した(rs2232165, rs495225, rs2232169, rs572169)。現在症例数が30症例集積されたため、解析を開始した。呼気ガス分析装置で小児肥満患者の安静時基礎代謝率の計測し、遺伝子多型との相関を解析途中である。体格、体脂肪量、骨格筋量、血糖・血清脂質・インスリンなどの代謝パラメーターの測定を測定している。 2. 肥満モデルマウスで血中グレリンを測定し、血中グレリンの意義を確かめた。肥満マウスにαグルコシダーゼ阻害剤を投与すると、肥満改善効果が見られたが血中グレリンに有意な変化は起こらなかった。血中グレリン値だけでは、代謝エネルギーバランスを推測するのは難しいことが予想された。ヒトにおいてはグレリン遺伝子のプロモータ活性やグレリン受容体の安定性に関連するSNPsに注目すべきと考えられた。
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