研究課題
(1) 小児肥満におけるグレリン遺伝子(GHRL)の一塩基多型(SNPs)の影響を調査した。男性31名:女性13名(計44名)、平均年齢11.4歳であった.GHRLのSNPsは、g.A-604G (rs27647)、g.C-501A(rs26802)、g.C247A/Leu72Met(rs696217)をTaqman genotyping assay法で解析した。ジェノタイプ別に2あるいは3群に割り付けた。各群について、肥満関連の臨床パラメータ(血液検査を含む)を比較検討した。臨床パラメータは肥満度、BMI、BMI-Zスコア、空腹時血糖、空腹時インスリン、HOMA-R、血清コレステロール(TCHO)、LDL、HDL、中性脂肪、HbA1cを測定した。g.C247A/Leu72MetとTCHOおよびLDLとに相関が見られた。g.C247A/Leu72MetのジェノタイプAA(Met/Met)は小児肥満に伴うTCHO高値・LDL高値の危険因子であることが示唆された。(2)GHRLとグレリンレセプター遺伝子(GSHR)のSNPsについて小児肥満56名および正常対照165名を対象として解析を行った。正常対照の年齢は13.7歳であった。同様の臨床パラメータとGHRLおよびGSHRのSNPsとの関連を解析した。GHRLのSNPsはg.A-604G、g.C-501A、g.C247A、g.A265T/Gln90Leu(rs4684677)、g.G62T(rs35683)の5種類を、GSHRのSNPsはg.C447G(rs2232169)、g.C171T(rs495225)、g.G477A(rs572169)の3種類を解析した。GHRLのg.C-501A(rs26802)ジェノタイプAAは「肥満であること」の強い危険因子であることが示唆された(オッズ比14.05,信頼区間5.76-34.28;p<0.001)。g.C-501AのCアレルは、肥満度・BMI・BMI Zスコア・空腹時インスリン・HOMA-R・HbA1c・TCHO・LDLに強い相関を認め、それらの項目について保護的な役割を持つことが考察された。GSHRのSNPsについては肥満やその関連パラメータとの有意な相関は認めなかった。
すべて 2015 2014
すべて 学会発表 (7件)