筆跡の時間情報を用いてメンタルヘルス不調の予兆把握が可能か検討した。ボランティア学生166名にデジタルペンを使用して内田クレペリン検査およびGHQ30を受検していただいた。内田クレペリン検査時のストローク間隔時間比t2/t1をメンタルヘルス状態の評価指標としたところ、t2/t1の値が11以上のハイリスク群と11未満のローリスク群の間にGHQ30の社会的活動障害について有意差が見られた。さらに休学・退学率を調べたところ、ハイリスク群はローリスク群に比して約10倍高いことが分かった(p < 0.01)。以上より、指標t2/t1はメンタルヘルス不調について予測力を持つことが示唆された。
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