研究課題/領域番号 |
24650441
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 教授 (30252886)
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研究分担者 |
鈴木 敏和 和洋女子大学, 家政学群, 准教授 (70270527)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 創傷治癒 / メカニカルストレス / ハーブ抽出成分 / スカーレスヒーリング / メディカルハーブ / 生理活性検出 / 運動療法 / 炎症制御 |
研究概要 |
我々が新規に開発した伸縮運動下での創傷治癒モデルを活用し、ハーブ・薬草類から効率的に創傷治癒活性をもつ生理活性物質を検出する系を構築することである。本研究では、種々のハーブを用いこの力学ストレス負荷皮膚細胞培養系での創傷治癒活性検出の妥当性をさらに検討する。 我々は今までにはない力学的ストレス環境下という観点から新規創傷治癒モデルを構築してきた。創傷治癒過程における運動(機械刺激)により創傷治癒過程がモディファイされる点に着目し、周期性培養細胞伸展装置を用いた解析により、分子レベルでの変化を明らかにしてきた。この結果、創傷治癒過程の異常であるケロイドではメカニカルストレス負荷時に正常皮膚線維芽細胞とはMAPキナーゼファミリー(シグナル伝達分子)のセリン・スレオニンリン酸化パターンの差を見出した。したがってこのモデル系を使用することでより今までにない観点から効率的にハーブなどから薬効成分を抽出することが可能と考えられる。 今回、市販の乾燥ハーブ類及び国内で栽培されているハーブよりその成分を抽出し、創傷治癒モデルにおいてその効果を検討した。この結果、免疫系細胞の増殖および活性化誘導能をもつハーブ抽出物成分を見出すことに成功した。現在この成分のさらなる分離と創傷治癒系に及ぼす影響について解析を進めている。 さらに、新規創傷治癒活性検出のためにヒト及びマウス不死化培養細胞株を用いた免疫細胞貪食能測定システムの開発を進めている。現時点においてすでに一部のハーブの持つ貪食能検出が可能となっており、さらに精度を上げるために改良を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度においては市販の乾燥ハーブ類及び国内で栽培されているハーブよりその成分を抽出し、創傷治癒モデルにおいてその効果を検討した。この結果、免疫系細胞の増殖および活性化誘導能をもつハーブ抽出物成分を見出すことに成功している。 現在この成分のさらなる分離と創傷治癒系に及ぼす影響について解析を進めている。 また、この生理活性検出にあたり新規創傷治癒活性検出としてヒト及びマウス不死化培養細胞株を用いた免疫細胞貪食能測定システムの開発を進めており現在一部ハーブにおいて貪食能促進効果を検出することに成功している。この系により新規検出系の基礎データが収集されてきている。今後この検出精度の向上に努め実用的な検出系構築を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト及びマウス不死化培養細胞株を用いた免疫細胞貪食能測定システムの開発を進めており現在一部ハーブにおいて貪食能促進効果を検出の基礎データの集積を進める。さらにこれらデータに関しさまざまな角度からの解析により検出精度の向上に努め実用的な検出系構築を目指す。 また、同時進行で市販の乾燥ハーブ類及び国内で栽培されているハーブよりその成分を抽出し、創傷治癒モデルにおいてその効果を既存のあるいは新規検索形を活用し検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
新規検出系の効果及ぶ制度確認のための試薬、消耗品の購入を行う。 ハーブ等からの生理活性物質抽出と部分精製によりプレリミナリに得られている創傷治癒促進あるいは抑制的生理活性について詳細な検討を行うために試薬・消耗品等を購入する。 また、新たな検索システムの件等のために必要な場合は培養細胞株の購入を行う。
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