研究課題/領域番号 |
24650443
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 志信 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40242218)
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研究分担者 |
山越 憲一 金沢大学, 機械工学系, 教授 (40014310)
野川 雅道 金沢大学, 機械工学系, 助教 (40292445)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 嫌気的代謝閾値 / 体力指標 / 無侵襲循環機能計測 |
研究概要 |
嫌気的代謝閾値に替わる簡易な体力指標創出を目指して以下の実験を行った。健常成人12名(男性運動者・非運動者,各3名,女性運動者・非運動者,各3名,平均年齢20歳)を被験者として,エルゴメータによるRamp負荷に対する心拍数(HR),心拍出量(CO),一回拍出量(SV)の応答の違いを比較・検討した.また,呼気ガス分析装置を用いて酸素摂取量(VO2)及び二酸化炭素排出量(VCO2)を同時計測し「嫌気的代謝閾値(AT)」を求めた. 【心拍数と一回拍出量の関係】循環機能計測の結果を「最大心拍数に対する心拍数の比(%HRmax)」を横軸,安静時の値を1として規格化した「規格化一回拍出量(nSV)」を縦軸に表示したところ、男性・女性共に運動者は最大心拍数に近い心拍数においてもSVを増加させることができるが,非運動者ではSVはほとんど増加せず,逆に最大心拍数に近い心拍数で減少する例も見られた.また,運動者ではSVの最大値は安静時の1.5~2.5倍に達しており心臓の収縮力に余裕がある,即ち極めて高い心予備力を有していることが確認できた. 【嫌気的代謝閾値(AT)と一回拍出量の関係】呼気ガス分析の計測結果を「エルゴメータ負荷量(Load)」を横軸,「規格化一回拍出量(nSV)」及び「ガス交換比R(R=VCO2/VO2 )」を縦軸に表示したところ、AT時の負荷値がnSVの変曲点(下降から上昇に変わる点)付近にあり,Ramp負荷に対するSVの変化からATを推定可能であることが示唆された. 以上より、%HRmaxとnSVとの関係から心臓の予備力を二つの側面,すなわち変時作用と変力作用の両側面から評価可能であることが確認できた.またAT値とSV変曲点には相関があることが確認できたため,胸部電気的アドミタンス法を用いて横軸Load,縦軸nSVmaの関係から簡易的に体力評価可能であることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ramp負荷に対する呼気ガス分析の結果と無侵襲循環機能計測の結果とを突き合せたところ、一回拍出量の変化から嫌気的代謝閾値を推定する可能性をが示唆され、当初見込みの妥当性が確認できた。また循環機能計測の結果から各被験者の心機能予備力を変時作用および変力作用の両面から推定可能であることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては健常成人の被験者数を増やして循環機能計測結果と呼気ガス分析結果との関係性をさらに検討し、一回拍出量だけでなく心拍出量や心拍数から嫌気的代謝閾値が推定可能かどうか確認する。 また運動負荷に対する血中乳酸値(BLC)の変化にも着目して実験を行う。具体的にはRamp負荷に対してBLCが急激に増加するいわゆる「乳酸閾値」と循環応答との関係を検討し、簡易な体力指標の確立を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
現有の自転車エルゴメータは最大負荷値が200WでPCによる負荷制御ができないため、最大負荷400W以上でPC制御可能なエルゴメータを新規購入する(800,000円程度を予定)。 また血中乳酸値計測のための試験チップ購入(25個入り6500円を30セット程度)にも充てる予定である。
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