研究課題/領域番号 |
24650444
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 実 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30525572)
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研究分担者 |
荒井 秀典 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60232021)
青山 朋樹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90378886)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | サルコペニア / バイオマーカー / テーラーメード介入 |
研究概要 |
本研究の主目的は、サルコペニアを予防するシステムを構築することである。そのために次の(1)と(2)の課題について挑戦する。(1)筋量(サルコペニア)に関連するバイオマーカーおよび予測式の作成。(2)サルコペニア(進行)予防を目的としたテーラーメード型介入法の確立。 サルコペニア(進行)のバイオマーカーを作成できることは、介護予防の観点からも極めて重要な取り組みとなる。また今まで定義や基準が曖昧であったサルコペニアのアルゴリズムを準備段階で確立させたことで、テーラーメード介入という汎用性が期待される介入方法を確立させようとしている点は意義深い。 サルコペニアの罹患率は転倒率を上回り、また転倒のように偶発的要素はなく、必然的にサルコペニアになる要素が含まれている。この必然性に対する介入は未だ不十分であり、本研究によって予測バイオマーカーの作成およびテーラーメード型介入の確立が可能となれば、サルコペニア予防・治療の概念は老年学分野でブレークスルーする可能性がある。特に本研究は当該分野における先駆けとなることから、このような概念に牽引され、今後このような研究が盛んになることも十分に予想される。サルコペニアが起因となり要介護状態に至るケースも多いことから、本研究成果は介護・医療費の適正化に向けた情報にもなりうる。 24年度には課題(1)のバイオマーカー作成のを進めるとともに、課題(2)の介入研究の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サルコペニアのバイオマーカーの検証作業は順調に進展している。25年度にも対象者数を増大させる予定である。24年度では(1)のバイオマーカーの作成について研究を実施した。血清データと運動疫学データより、サルコペニアを予測するバイオマーカーを作成している。測定項目は次の通り:(25-hydroxyvitamin D(25(OH)D)、Insulin like growth factors(IGF-1)、Interleukin-6(IL-6)、Tumor Necrosis Factor(TNF-α)、Alanine transaminase(ALT(GPT))、Aspartate amino transferase (AST(GOT))、C反応性蛋白(CRP)、高感度CRP、LDLコレステロール、HDLコレステロール、総コレステロール、アルブミン、プレアルブミン、クレアチニン。BIA法によって計測した筋量は、四肢筋量を身長の2乗で除した値をskeletal mass index(SMI)として、各血清分析項目との関連性を調べた。SMIと幾つかの血清分析項目とは有意な相関関係を認めた。このようにサルコペニアの重要な指標である筋量と関連する血清指標はある程度明確になってきており、25年度の調査・分析を加えながら明確な指標を作成する予定である。 また25年度に本格的に実施する予定の介入研究の準備も整っており、対象者のリクルートは完了している。
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今後の研究の推進方策 |
25年度にはサルコペニアのバイオマーカーの検証のための対象者数を増大させる予定である。また介入研究を進め、テーラーメード型の介入方法の確立を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度の研究費は主に、身体計測や介入にかかる人件費および交通費に利用する。また、血清分析費用や採血などに伴う消耗品の費用等に充てる予定である。
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