代謝性疾患の発症・進展の鍵となることが想定される炎症関連指標に焦点をあて、代謝性疾患リスクの総合指標として有用な、実践的なバイオマーカーを探索した。メタボリック症候群の診断指標を主成分分析によって総合した主成分固有値は、血漿IL-1β濃度やIL-6濃度とともに、血漿γ-GTP値やALT値と強く関連していた。また、健診受診者の5年間の追跡により、血中HbA1cの変化量と有意に正の関係を示したのは、血漿γ-GTP値とALT値の初期値であった。それゆえ、一般健診においては、血漿γ-GTP値とALT値の組合せは、代謝性疾患の発症・進展リスクを予測する有効な実践的バイオマーカーであることが示唆された。
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