研究課題/領域番号 |
24650456
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中山 節子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (50396264)
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研究分担者 |
伊藤 葉子 千葉大学, 教育学部, 教授 (30282437)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ESD / ESD指導 / 家庭科 / 大学生 / 教員養成 |
研究概要 |
本研究は、家政学・家庭科教育が蓄積してきた学際的研究知見を踏まえて、家庭科におけるESD実践の指導者の育成やESD指導の専門性の向上を目指すプログラム開発とその教育的効果を検証する実践的かつ実証的研究である。研究目的は、①家庭科におけるESD実践の指導者の育成やESD指導の専門性の向上を目指すプログラム開発と②教育的効果の検証の二つである。この目的に沿って、①の目的であるプログラム開発と実施(平成24年度)、②の目的であるプログラムの教育的効果の検証と研究成果のまとめと公表(平成25年度)の研究計画が進行中である。 平成24年度は、研究計画に沿って、プログラムを開発と実施に取り組んだ。ESD指導の専門性の向上を目指すプログラム開発にあたり、まず、大学生のESDの捉え方について把握するため、写真投影法を用いた調査を行った。併せて、小中高においても同様の調査も実施し、ESDに関する発達段階を系統的に把握した。 これらの調査の結果、先行研究、これまでの研究蓄積を基にして、「PIPメソッドプログラム」を開発した。このプログラムは、ESDの学びで重視されている「アクションリサーチの実施」に着眼して、教員養成に必要なESD指導のためのプログラムに必要な以下の5つの概念で構成されている。このプログラムを小中高向けの家庭科関連の授業にて実施した。 本年度の実績としては、ESDのための基礎データとしての発達段階の調査を実施したこと、先行研究や実際の調査結果に基づいたプログラムを開発したことにより、実践的かつ実証的な成果を得られたと考える。これらの成果については、千葉大学教育学部紀要への投稿と日本家庭科教育学会年次大会およびIFHE世界大会において報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の平成24年度の研究計画は、ESD指導の専門性の向上を目指すプログラム開発とその実施が、研究の柱であった。特に、このプログラム開発にあたっては、これまでの連携研究で構築したネットワークを活用し、写真投影法を使って小中高大の発達段階を明らかにした。結果の分析に関しては、研究協力者であり、各発達段階の特徴を熟知している小中高校の家庭科教員が加わった体制で検討を行うことができた。 この分析・考察に基づき、教員養成に必要なESD指導のためのプログラムに必要な5つの概念(1.持続可能な社会への関心を持つ2.持続可能な開発を理解するための知識を深める3.児童・生徒の持つ持続性についての考えを知り、自分との同異について理解する4.ESD指導案を作成する5.新しい視点で指導案を改善する)を土台として、プログラムを構成した。また、このプログラムの開発・実施と同時並行で、中山・伊藤は「芸術教育による感性に働きかけるESDの構築~アート・ワークショップの手法を活かした代替案の思考能力の育成~(基盤C課題番号24531103・研究代表者:神野真吾)」の研究にも携わり、相互補完的にESDの知見を深めることができた。 プログラムの実施については、中山・伊藤それぞれが担当する小中高向けの家庭科関連の授業を年に2回実施することができた。1回目に試行的に実施し、再度プログラムを調整して、再試行も行うことができた。加えて、小学校の現職教員の研修においても、このプログラムを実施した。 また、これらの研究成果の一部を、「写真投影法を用いたESDに関する発達段階の基礎的研究(千葉大学教育学部紀要61号2013年3月)」、「PIP-Model for pre-service teachers in the practices of ESD(IJHE, 5(2), 2013年3月)」で公表した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究計画が順調に進行しているので、予定していた平成25年度の研究計画に沿い、研究を遂行する。平成25年度は、ESD学習指導案改善のためのチェックリスト、学習評価(自己・他者)、学生からのフィードバックを用いて、プログラムの教育的効果を検証する。プログラムの教育的効果の検証の方法は1)ESD学習指導案改善のためのチェックリストによる測定、2)学習評価(自己・他者)、3)「PIPメソッドモデル」終了後に行う学生からのフィードバックを用いる。具体的には、1)は、ESD指導の専門性の向上を目指すプログラムの中に、「ESDの指導学習指導案改善のためのチェックリスト」があり、その項目の数量的把握を行い、分析する。2)の自己評価・他者評価による学習評価と3)の学生からのフィードバックについては、量的・質的方法をミックスした分析方法により測定する。研究成果は、日本家庭科教育学会、ARAHE(アジア地区家政学会(平成25年度大会・シンガポール))の国内外の学会で公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の使用については以下のように計画している。 1)教育的効果の分析の際の研究補助者への謝金、2)教育的効果の分析に必要なアプリケーション購入等の経費、3)関連の資料収集や文献購入のための経費、4)ARAHE(アジア家政学会)の2013年度大会の参加費および旅費、5)日本家庭科教育学会2013年度年次大会の参加費および旅費、6)研究成果公表としての論文投稿のための経費
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