研究概要 |
本研究は,家政学・家庭科教育が蓄積してきた学際的研究知見を踏まえて,家庭科におけるESD実践の指導者の育成やESD指導の専門性の向上を目指すプログラム開発とその教育的効果を検証する実践的かつ実証的研究である。研究目的は,①家庭科におけるESD実践の指導者の育成やESD指導の専門性の向上を目指すプログラム開発と②教育的効果の検証の二つである。 24年度は,研究計画に沿って,プログラムを開発と実施に取り組んだ。ESD指導の専門性の向上を目指すプログラム開発にあたり,写真投影法を用いて大学生のESDの捉え方について把握した。併せて,小中高においても同様の調査も実施し,ESDに関する発達段階を系統的に把握した。この結果は,「写真投影法を用いたESDに関する発達段階の基礎的研究(千葉大学教育学部研究紀要61号2013年3月)」にまとめた。これらの調査結果,先行研究,これまでの研究蓄積を基にして,「PIPメソッドプログラム」を開発し,中山・伊藤が担当する家庭科関連の授業にて実施した。この研究成果の一部は,日本家庭科教育学会とIFHE World Congressで報告し,International Journal of Home Economics Volume 5, Issue 2 (2013年3月)で「PIP-Model for pre-service teachers in the practices of ESD」として掲載された。 25年度は,ESD学習指導案改善のためのチェックリスト,学習評価、学生のフィードバックを用いて,プログラムの教育的効果を検証した。検証は,ESD学習指導案改善のためのチェックリストによる測定,学習評価(自己・他者),「PIPメソッドモデル」終了後に行う学生からのフィードバックのデータを用いてプログラムの教育的効果を検証した。研究成果の一部は,日本家庭科教育学会とARAHEで報告し,「ESD実践のための研修(千葉大学教育学部研究紀要62号2014年3月)」にまとめ,現在International Journal of Development Education and Global Learning及び日本家庭科教育学会誌に投稿中である。
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