研究課題/領域番号 |
24650460
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
中津 秀之 関東学院大学, 工学部, 准教授 (50329207)
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研究分担者 |
麦倉 泰子 関東学院大学, 文学部, 准教授 (60386464)
伊藤 典幸 関東学院大学, 人間環境学部, 准教授 (90350561)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | こども環境 / 子ども / 高齢者 / まちづくり / 子育て / 地域 / 新しい公共 / 連携 |
研究概要 |
本研究は、地域における新しい「コミュニティの仕組み」を提案することを通して、幼児や子どもから高齢者までが幸せに暮らせる「まちづくり」手法の確立を目指し、特定の地域における高齢者、子育て世帯(母子)、小学生の様々な生活の実態を把握することを目的としている。 初年度は、対象地域(横浜市金沢区「金沢シーサイドタウン」)における高齢者の暮らしに対する意識を把握し、子育て世帯の基本情報を整理すると同時に地元自治体との連携を深めることで、より深い研究の基盤形成を目的とする。 【調査1】アンケート調査として、高齢者世帯の生活行動調査及び子育て支援体制構築に向けた人的リソース把握のための実態を把握した。この調査を通して高齢者世帯のライフスタイルを把握し、行動特性を検証した。また当該地域における高齢者の心理的側面についても明らかにした。 【調査2】オーラルヒストリー調査を通して、地域内のソーシャルサポート・ネットワークの実態を浮き彫りにした。更にこの結果を活かし、これからの当該地域における市民活動を活性化するための仕掛けづくりの検討を行った。大学や行政及び市民団体が協働することによって新しい信頼関係の創り上げるために高齢者等のオーラルヒストリー収集活動が有効であることが証明された。 【調査3】小学生の父母へのアンケート調査を通して、地域における子育て世帯の実態を把握した。この調査によって、子どもが成長していく各フェーズにおいて現実に直面している障害を把握し、今後整備すべき子育て支援サービスが明確となった。また第二子以降を出産した(あるいはその意欲のある)夫婦と、それを躊躇する夫婦の環境条件を比較することによって、少産化の原因の把握とその解決策を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該研究は、地元自治体との連携を通して、研究だけでなく多くの市民をも巻き込んだ、新しい地方自治の在り方を模索する活動に繋がりつつある。このことは、地域における大学の新たな存在価値を確立することにも発展してゆくことにもなる。 対象地区が築40年の大規模団地であることから、全国的に大規模団地が抱えている少子高齢化等の社会問題の先進的な解決策の模索に繋がっている。この研究と平行して実施している地域における、ワークショップ等のまちづくり活動により、地元の金沢区だけでなく、横浜市全体を管理している部局との連携が始まった。またUR等との組織連携も新たにスタートし、広域なエリアマネージメントの方策が検討されるようになった。 対象地区周辺の工業団地連合体や漁業協同組合との情報共有が始まったことにより、コンパクトシティとして、これからの地域の在り方を模索することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(平成25年度)は今年度から引き続き、高齢者世帯の意識調査を実施する予定であるが、今まで対象としてきた分譲地区だけでなく、URの協力を得て賃貸住戸エリアの意識調査を予定している。また子どもの遊び空間とその方法等に関する詳細なアンケートを実施し、現地踏査を含めて、団地の外部空間における子どもの遊びや大人との交流がどのように展開されているかを明らかにする。 また最終年度にあたり、積み上げてきた調査結果を地元住民や自治体また関係諸団体と共有するための出版を計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
【調査1】高齢者世帯のくらしに関する意識調査・・・\1,000,000 【調査2】オーラルヒストリー調査・・・・・・・・・・・・・・・・・\300,000 【調査3】子どもの遊び活動調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・\300,000 【その他】調査結果をとりまとめ印刷する・・・・・・・・・・・\553,540
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