研究課題
身体障害者に対するバリアフリーが様々な形で浸透してきたが、その中にあって色覚異常者に対する支援は遅れていると言わざるをえない。たとえば東京の地下鉄路線図は見やすいように色分けされている。このような色分けは健常者に対しては便利であるが色覚異常者にとっては判別が困難である。しかし、色覚異常者でもモノクロ化された画像では容易に判別が可能になる。本研究では与えられたカラー画像を色覚異常者でも判別できるようにモノクロ化するプログラムを開発することを目的とする。平成23年度までには、単純な画像(単にモノクロ化すると領域の区別が出来なくなる)に対するモノクロ化のプログラムは完成していた。しかし、路線図のように文字が含まれていたり、色の領域数が多い画像には適用できなかった。特に、一般的に用いられているJPEG画像はノイズが多く含まれていて処理が困難である。平成24年度は、画像の背景と画像中の駅名等の文字の領域を認識し、処理対象から外すことにより、色のついている路線部分のみを対象に処理を行うプログラムを作成した。ノイズを含めて46,854色の東京地下鉄路線図の一部に対してモノクロ化を行い13階調のモノクロ画像に変換することが出来た。平成25年度は、13階調のモノクロ画像では認識が困難であると考え、明るさの変化に模様を加えて識別を容易にするプログラムを作成した。この成果を国際会議World Academy of Science, Engineering and Technologyで報告した。
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World Academy of Science, Engineering and Technology International Journal of Computer, Information Science and Engineering
巻: V7, No.12 ページ: 937-941