高分子と低分子化合物の相互作用を追求して、各種繊維/高分子の新しい鑑別法の提案を目指した。先ず、木綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロンなどの繊維に対するメタノール、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、p-キシレンなどの有機化合物の吸着において、各繊維は独自の吸着傾向を示した。さらに、合成ポリアミノ酸の吸着特性を検討した結果、化合物はポリグリシンには吸着しにくいこと、ポリL-アラニン、ポリL-バリン、ポリL-ロイシンとアミノ酸残基の側鎖のC数が増えると、吸着量が増えるが、吸着量の順序は異なる事が見られた。高分子の構造の新しい鑑別の可能性が見出された。
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