研究課題/領域番号 |
24650471
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
水谷 千代美 大妻女子大学, 家政学部, 准教授 (00261058)
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研究分担者 |
梶原 莞爾 信州大学, 繊維学部, 特任教授 (10133133)
森川 英明 信州大学, 繊維学部, 教授 (10230103)
佐古井 智紀 信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (70371044)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 消臭抗菌性繊維 / 光触媒繊維 / 悪臭の拡散 / 国際情報交換 / デンマーク工科大学 |
研究概要 |
病院・介護施設は、排泄物臭、消毒液臭、体臭などの悪臭が大きな問題となっている。本研究では、さまざまな消臭繊維の特性を活かして衣服、フィルターなどに展開することを目的として、それらの悪臭に対する消臭効果、消臭速度などを調べた。消臭機構として、物理的消臭法と科学的消臭法に大別される。物理的消臭法としては、活性炭繊維、シリカゲルなどが相当し、化学的消臭法としては、金属フタロシアンニン繊維、光触媒繊維などがある。本実験では、それらを試料として、悪臭の種類の違いによる消臭効果および消臭速度を、静的および動的方法で評価した。静的な評価法は、これまでに周知されている検知管法を用い、動的評価法としては新たな評価装置を作成した。この装置は、悪臭を吸着しないガラス素材からできた人体側と環境側のふたつの容器を作り、人体側と環境側の間に消臭抗菌素材を設置し、人体側には悪臭臭気を充満させ、環境側には悪臭量を感知するセンサーを設置した。一定濃度の悪臭が消臭繊維を通過し、環境側へ移動した悪臭の拡散挙動を時間変化ともに測定した。その結果、光触媒繊維の消臭速度が速いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
さまざまな消臭性繊維の評価は、ほぼできたように思う。研究は全体的に少し遅れ気味ではあるがおおむね順調で進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に続き、人体側と環境側の二つの容器からなる装置を用いて消臭繊維の消臭性を評価する。これまでの結果から、光触媒繊維はアンモニア臭に対して消臭速度が速いことから消臭フィルターに対する適正を評価する。 また、等身大のサーマルマネキンを使い、腋下および股間からアンモニア臭を発生させる。このマネキンに我々が開発した着脱しやすい衣服を着用させてアンモニア臭の拡散挙動や消臭効果を調べる。この実験は、介護施設・病院を想定して人(サーマルマネキン)と衣服(消臭繊維)と環境を一つの系として考え、衣服の開口部、デザインによる違いが消臭性および悪臭の室内への拡散に与える影響を調べる。研究代表者がデンマーク工科大学に滞在して研究を行うことが許可されたために、これらの実験はデンマーク工科大学室内環境実験室で行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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