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2012 年度 実施状況報告書

家事作業時の防暑策を考慮した住まいと暮らしのあり方再考

研究課題

研究課題/領域番号 24650475
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

松原 小夜子  椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (50199840)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード既存住宅 / 高断熱住宅 / 夏期 / 調理 / 掃除
研究概要

名古屋市近郊の住宅地において、既存住宅と高断熱住宅(次世代省エネルギー基準相当の可能性がある住宅)の比較を念頭において、主たる 家事担当者を対象に調査を行い、日常生活における冷房利用および自然な方法による防暑の工夫や、各種家事作業時の暑さ感と防暑行為の実態を把握し、両者の関係を分析・考察した結果、以下の知見を得た。
1) 対象とした住宅を、断熱性能により「既存住宅」と「高断熱住宅」に区分したところ、前者には40代以下の若い層が、後者には50代以上の高年齢層が多く居住していることがわかった。
2) 防暑の工夫では、両住宅区分ともに、「窓開放」「建具開放」「敷物変更」「すだれ等」「打ち水」の順に実施率が高かった。なお、「建具開放」を除き、他の工夫も含めて、居住者の年齢にかかわらず、既存住宅の方が防暑の工夫を多く実施していた。
3)家事作業時の暑さ感では、両住宅区分ともに、「暑さで困る、何とかしたい」との回答は半数を超え、特に、40代以下の若い層では、「暑さで困る」が多い結果であった。暑さで困る家事は、「調理」「掃除機かけ」「アイロンかけ」の順であるが、「掃除機かけ」以外の「その他の掃除」を含めた掃除全体では「調理」を上回った。
4) 既存住宅はもとより、今回対象とした高断熱住宅においても、家事作業時の冷房利用はくつろぎ時に比べると少なく、冷房利用によって快適性を得ているとは限らないことがわかった。既存住宅、高断熱住宅ともに、家事作業時の防暑行為は、日常生活における防暑の工夫と関連があり、「工夫高」の人は、家事作業においても「窓開放」をはじめとする様々な防暑行為を行っていた。「工夫低」や「工夫中」の人も、自然な方法を用いた防暑の工夫や防暑行為によって、家事作業時の暑さ感が緩和され、省エネルギーで、光熱費負担の少ない生活ができる可能性があると考察できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の目的と方法に従い、調査を実施し、結果の分析と考察を行っており、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今年度の結果を踏まえ、次年度では、どのような温湿度下で家事作業や日常生活を行っているかの実態と、快不快感の程度を把握するため、既存住宅と高断熱住宅居住者の事例を対象に、温湿度測定および快不快感の把握調査を行う。
温湿度は、夏期の暑い時期に、小型測定器を携帯してもらい自動測定するとともに、測定日に行った家事行為や生活行為、暑さ感の有無や暑さの程度の記入による快不快感の把握調査を行う。また、防暑の工夫の様子、冷房への意識と使用状況、家事作業時の暑さ感、主な家事の防暑行為などのインタビュー調査を行う。調査により得られたデータを分析し、考察する。
2年間の調査結果をもとに、夏期の家事作業時の防暑策という観点をも含め、住まいや暮らしのあり方について、総合的に考察する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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