研究課題
D-アラニンを含む果実を作出する目的で、トマトSlAlaRacemase1およびSlAlaRacemase2をクローニングして塩基配列を決定した。さらにラセマーゼの予想分子量と一致する45kDaおよび47kDaのGST融合タンパク質を調製することに成功した.また、トマト果実の糖代謝制御に関わるSNF関連キナーゼが肥大期の果実で特異的に発現することを見出し、器官特異的に、CIPKが発現していることを明らかにした。また、アラニンは、ロイシン、イソロイシン、バリンとともに燃焼系アミノ酸と言われ、分岐鎖アミノ酸(BCAA:Branched-chain amino acid: バリン、ロイシン、イソロイシン)にも注目し、子実におけるBCAA合成の制御機構を解明した。分岐鎖アミノ酸アミノ基転移酵素(BCAT :Branched-chain aminotransferase)について、AtBCATとの高い相同性が認められたダイズのGmBCAT2、GmBCAT3、GmBCAT4、GmBCAT5の4つを候補遺伝子として選抜した。子実内のアミノ酸プールに蓄えられたBCAAはタンパク質合成に使われるため、種子貯蔵タンパク質の合成が盛んになるにつれ全BCAA量が急激に増加していると考えられた。また、ダイズ芽生えにおけるGmBCAT3の遺伝子発現およびBCAT関連タンパク質の解析を行ったところ、栄養飢餓に応答して顕著に誘導された。このことより、BCAT3はエネルギー供給のためのBCAA分解にも関与していることが示唆された。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)
J. Bot
巻: 935479 ページ: 8
10.1155/2013/935479