研究課題
【研究の目的】先行研究スクリーニング実験においてAβによる神経細胞死をコマツナ種子抽出成分(KSE)が抑制した。機構の一つは、「Aβによる細胞死は、Aβによる糖の取込阻害のためではないか」という仮説を立て、平成24年度は吸収スペクトル、電気泳動、インスリン取込量の観点から検討した。平成25年度は、神経細胞においてKSEによるAβ修飾がグルコース(Glu)の消費量及び取込量に影響を及ぼすのかという観点から細胞死抑制機構を検討した。【平成24年度研究結果】【①KSEによるAβへの修飾反応は起こるのか】a)試験管内においてKSEとAβを混合し、時間経過後に吸収スペクトル変化が検出された。b)電気泳動法からKSEによるAβへの修飾反応等により、Aβモノマーバンドが消失した。【②KSEによって修飾されたAβはインスリン(Ins)レセプターへ結合するか】培養細胞を用いてa)KSEとAβの反応時間を置く場合、Ins取込促進が見られた。b)反応時間を置かない場合、取込促進効果は見られなかった。【平成25年度実施計画】海馬神経細胞において2-NBDGを使用し、KSEによるAβ修飾がGlu消費量及び取込量に影響を及ぼすのかという観点から細胞死抑制機構を検討した。①KSEにより修飾されたAβがGlu消費に影響を及ぼすのか。②KSEにより修飾されたAβがGlu取込量に影響を及ぼすのか。③①と②における細胞死抑制の確認。以上3課題についてa)KSEとAβの修飾反応時間を置く、b)反応時間無し c) Aβ+Glu、d) Aβ+Insを実施。【平成25年度研究結果】①Glu消費量はコントロール(Con)と比べa)50μL KSE約36% 、7.5μL KSE33%、b)7.5μL KSE約49%であった。c)Conと同等、d)約115%であった。②Glu取込量はConと比べ、a)50μL KSE約45%、7.5μL KSE約27%であった。b)7.5μL KSEは、Conと同等。c)約57%、d)約52%であった。③生細胞数は同じくa)50μL KSE約103%、7.5μL KSE約123%、b)7.5μL KSE約94%、c)約106%、d)約104%となった。
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Journal of Diabetes & Metabolism
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