研究課題
平成25年度は精神科デイケアにおいて食生活を中心にした生活習慣改善に向けた教育プログラムを実施し、その効果を検証した。調査フィールドは兵庫県播磨地域の精神科デイケアとし、週1日以上利用する者46名を対象とした。効果を検証するため、対象者を介入群(22名)と対照群(24名)の2群に振り分けた。調査は身体計測とアンケート調査からなり、教育プログラムの実施前後に行った。アンケートとしては運動セルフエフィカシー質問表、食生活エフィカシー質問表を使用した。また行動変容ステージで行動の変化を得点化し、両群で比較した。教育プログラムは1か月実施し、この間に2回の教室を開いた。第1回目は運動、第2回目は食事に関する内容を中心にした。食事では料理カードなどを用いてバランスの良い食事についてリーフレットを用いて説明した。その後バランスの良い食事を簡単に摂取する工夫を紹介した。この工夫を紹介することで利用者にも実際に取り組みやすい内容とした。教育介入の前後では身体計測でも全ての項目で両群に有意な差はなかった。アンケートの項目別で介入前後で比較すると運動セルフエフィカシー、行動変容ステージ・食事、総合得点で介入群の介入後で有意に得点が上がった。これより精神科デイケアでも栄養教育によって対象者の意識・行動の改善が見られることが明らかになった。また有意な差は出なかったが対照群では介入群と比較して得点が下がった質問が多い傾向にあったことから、栄養教育は意識・行動の維持や悪化の防止の効果もあることが分かった。このことから精神疾患で通院する患者でも生活習慣に関する教育は有効であることが示された。今後栄養教育の長期間の効果について調査を継続する必要があると考える。
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