味覚器である味蕾の形態形成・維持の分子機構を、同種親和性細胞接着分子である古典的カドヘリンに着目して解明することを目的とした。 本研究により、①18種の古典的カドヘリンのうち11種がRNAレベルで味蕾細胞に発現していることが分かった。②そのうちのいくつかは、タンパク質レベルで味蕾細胞に局在すること、細胞接着に必要なαカテニンと共局在することが示された。③さらに、②のうち1種の古典的カドヘリン(以下Xと称す)は、形態学的に分類されるⅠ~Ⅲ型味蕾細胞のうち、主にⅡ型細胞に局在していることが示された。④超微形態レベルでXは細胞膜上に局在しているが、隣り合う細胞で発現していないことが示された。
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