概日リズムを調節している時計遺伝子の発現は24時間周期の増減がみられるが、マウスを通常休息している昼間に摂食させると、時計遺伝子の発現ピーク時刻がずれ、肺への癌転移数が有意に増加した。また時計遺伝子の機能異常があるclock変異マウスでは野生型より癌転移数が有意に増えたことから、概日リズムが乱れると癌転移が亢進することが分かった。さらに通常とは異なる食事時刻が続くと、マウス肺の接着因子であるP-selectinとVcam-1の発現が亢進した。 以上により、規則正しい食生活が維持できないと時計遺伝子の概日リズムが乱れ、一部の接着因子の発現に影響が及んで、癌転移が亢進する可能性があると考えられた。
|