• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

離乳期におけるラクターゼ発現低下への非コードRNAの関与

研究課題

研究課題/領域番号 24650505
研究機関女子栄養大学

研究代表者

福島 亜紀子  女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (50327962)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードラクターゼ / 離乳期 / 発現変動
研究実績の概要

ラクターゼ-フロリジン加水分解酵素(ラクターゼ)は、哺乳動物の小腸粘膜細胞に存在し、母乳中に含まれる唯一の炭水化物源であるラクトースを加水分解する。ラクターゼは胎生期後半より発現し、出生を頂点として離乳期に至るまで著名に発現低下することが知られているがその低下機構は未だ明らかにされていない。従来の発現機構解析は、主に遺伝子配列とその結合タンパク質の解析から進められてきたが、現在までにその発現低下機構を解明した報告はない。近年、細胞内で発現しているRNAの中にタンパク質をコードしていないが、低分子RNA(miRNA)自身が遺伝子発現をmRNAレベルで抑制することが示されてきている。また、クロマチンの構造変化も視野に入れた解析方法によりラクターゼ発現低下の機構の解析を進める。本研究では低分子RNAがラクターゼ遺伝子の転写レベルの抑制にはたらいているのではないかという仮説を立てて、その検証を行う。
Sprague-Dawley系ラット10日齢と10週齢の小腸上部1/4の部位よりmiRNA画分を含む総RNAを抽出し、mRNA解析は3D-Gene®全遺伝子型DNA chip、miRNA解析は3D-Gene® miRNA Oligo chipを用いた解析を東レ株式会社に依頼しおこなった。3D-Gene®全遺伝子型DNA chipを用いたmRNA解析では、10日齢の方が10週齢より有意に発現量が高いものが16遺伝子あり、この中にラクターゼ遺伝子も含まれた。また、3D-Gene® miRNA Oligo chipを用いた解析では、10日齢の方が10週齢より有意に発現量が高いものが11種類、10週齢の方が10日齢より有意に発現量が高いものが25種類あった。この25種類のうちのいくつかの低分子RNAについて、2日、10日、5週、10週での発現の変化をみるとrno-miR-29a、rno-miR-142-3pは、5週から10週にかけ急激な増加が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

miRNA Oligo chipを用いた解析により、離乳期に変化する候補miRNAを網羅的に解析し、その離乳期における変動パターン等を解析したが、直接、ラクターゼmRNAに作用するようなmiRNAの発見には至らなかった。さらに、ラクターゼ発現調節に関わりがあると報告されている転写因子にまで解析を広げたが、現在までに、候補miRNAの発見には至っていない。

今後の研究の推進方策

「低分子RNAライブラリーの作成とサブトラクション」や「RNA免疫沈降反応による解析」など、視点を変えて行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

網羅的解析により、候補miRNAを見つけたが、ラクターゼの発現変動に直接関与しそうな候補はなかった。さらに、転写因子に解析を広げたが年度内での解明には至らず、未使用金が生じた。

次年度使用額の使用計画

候補miRNAとラクターゼの発現変動に関与すると報告のある転写因子の発現変動などから、さらに解析を進めるため、未使用金を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ラット小腸粘膜上皮細胞の離乳期における遺伝子発現の網羅的解析2014

    • 著者名/発表者名
      福島亜紀子、山田和彦
    • 学会等名
      第68回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2014-05-30 – 2014-06-01

URL: 

公開日: 2016-06-03  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi