研究課題/領域番号 |
24650510
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
白井 暢子 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (10399404)
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研究分担者 |
上村 渉 東京大学, 医学部附属病院, 研究員 (80399394)
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キーワード | 希少糖 / DDS / 機能性食品 |
研究概要 |
希少糖の徐放化と送達を目的として経口摂取が可能でありかつ安定な構造を持つ高分子ミセルを形成する担体として高分子多糖であるアルギン酸を用い、脱水縮合反応によりカプセル化の検討を行った。まず最も入手し易いD-プシコースを用い、縮合反応溶液の温度、pH、糖と担体との比率などの反応条件が希少糖と担体の合成効率に及ぼす効果について検討した。UV吸収やHPLCにより残留溶液の希少糖濃度およびカプセルから放出された希少糖量を測定し、希少糖のカプセル内担持率を算定した。 ケトースの対照としてD-フルクトースを用い、アルドースの対照としてD-グルコースを用い、それぞれ同様に検討を行った。縮合反応後に合成溶液中に残存する希少糖の利用効率を向上させることを目的として5~10回程度希少糖溶液を再利用して担持させた場合でも、初回と同程度の坦持効率を示すことを確認した。 担体と希少糖との複合体を食品として用いる場合、その構造が生理条件下において安定に存在する必要があるため、生理食塩水や酸性溶液中においても同様に希少糖の放出挙動を観察したところ、溶液中のpHや塩の存在は糖の放出挙動には影響を及ぼさないことが確認され、今回作成した希少糖-担体は経口摂取が可能であることが示唆された。現在、希少糖は理論上20数種類が合成することが可能であると報告されているため、D-アロースや他の希少糖についても入手次第、担体との坦持効率の検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経口摂取が可能な希少糖-DDSの作成を目的として、疑似的な生理条件である酸性溶液や生理食塩水中での希少糖の坦持効果を確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
できるだけ収率よく希少糖-DDSを作成する方法を確立し、実験動物を用いた投与試験により評価する。
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