エネルギーに関連した題材の開発として,前年までに開発・改良してきた教材の改良と実践的な検証を進めた.昇圧型LEDミニライトの発展的な応用として,夜間時に利用できるLEDキャップを開発した.光電池を使った充電型ライトとしては,小型のコイン型電池を組み合わせ,振動で一定時間点灯する,起き上がりこぼしライトを開発した.この電池の利用によって,限られた授業時間でも動作確認ができ,夜間にも実用的なライト教材にすることができた.被災地域における教室としては,石ノ森萬画館(石巻)を会場として,LEDを使った光のインテリア工作教室を実施した.昨年の引き続きの活動であったが,アンケート結果から,ものづくり工作が元気を与えるという感想を多くいただいた.自分でも何かが出来るという自尊感情(セルフ・エスティーム)の育成という観点を組み込むことで,より有効な題材になると言える.また,LED制御教材いろは姫を使ったオブジェ作り(住吉台小学校6年),牛乳パックランタン(南中山小学校3年)などの学校実践を行った.エネルギー利用教材としては,手回し発電によってコンデンサに蓄電する,自走型コンデンサ自動車教材には,LEDを使った充電モニタ機能を加える改良をした.直列のコンデンサに対する過充電保護の機能も持たせることができた.コンデンサ自動車製作を大衡中学校2年を対象にした授業実践では,2時間程度の組み立て時間で完成させることができた.できあがった教材は,機械の学習要素も持ち,エネルギー変換の学習として,生徒に興味関心を持たせることができることが確認できた.ものづくりの学習は,元気を与えるとともに,自尊感情の育成に有効であると考えられる.ものづくりを題材とした複数のテーマを組み合わせることで,復興支援となる教育が実現できると期待できる.
|