研究実績の概要 |
本年度は(平成26年度)は、昨年度まで(平成24,25年度)の研究結果をもとに、「意思決定能力」の育成、および環境リテラシーとしての意思決定に関する調査を行い、その結果をまとめた。また、意思決定を中心とした学習プログラムを作成し、試行することであった。具体的には、まず、①環境教育における意思決定能力の育成に関して、昨年度に引き続き、北米環境教育協会(NAAEE)で示している『学習のためのガイドライン(略称)』を分析した。その結果、ガイドラインは、米国の科学教育スタンダードや新たに提案されているSTEM教育との関係を明らかにすることができた。②前述①で分析したミドルレベルのガイドライン(5-8学年)をもとに、調査用紙を作成し、中学校第3学年の生徒を対象に調査を実施し、その結果をまとめた。さらに、昨年度の小学校(K-4学年)での調査結果も踏まえて、我が国の児童生徒の環境リテラシー及び意思決定能力の実態を明らかにした。③意思決定場面を想定したエネルギー利用に関する意思決定場面を想定した簡易学習プログラムを協同開発し、試行した。その結果、プログラムの有益性を明らかにすることが出来た。ただし、研究会等を通じて意見交換をしたり、成果を公表するまでには至らなかった。 以上のことより、平成24年度~26年度の3年間を通して環境リテラシーとしての意思決定能力の育成に関するガイドライン作成のための資料収集とプログラムの試案を示すことができた。よって、意思決定能力育成プログラムの開発のための研究基盤は構築できたと考える。なお、意思決定能力育成プログラムのためのガイドラインの提案や小中学校における実践については、課題が残った。今後は、さらに研究を進展させるとともに、成果を順次公表していく予定である。
|