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2012 年度 実施状況報告書

大学生が講義中に1人ずつ実験をして学ぶ大学の物理学講義法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24650520
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関東京工業大学

研究代表者

柴田 利明  東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80251601)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード実験・観察 / 物理 / 講義 / 大学生
研究概要

本研究は、大学の物理学の講義において、実験を取り入れた講義を行う手法の開発を行うものである。大学一年から大学院にいたるまで、講義中に実験を取り入れる余地は多くあるが、適切で有効な方法は何かを検討して取り入れることが重要である。
一科目については一学期で講義は10数回のみであるから、どのような内容の実験を取り入れることができるか、その構想を明確にすることが重要であり、科目間の関連、学生の習熟度も考慮して可能なテーマを検討した。
そのために、学生が多く利用する教科書・文献を系統的に集めて、分類し内容を精査した。このような文献調査によって、入門レベルの物理学の教育の全体の枠組みを整理して理解することができた。その結果、入門的レベルの物理学に共通する数学的取り扱い(力学、波動、電磁気などにおける)が基本的に大切で、それを解説することも念頭におく実験が好ましいことが明確になった。単に見てめずらしい、とか、印象に残る、ということが大学における実験の目的ではない。今後、これまで得られた知見に基づいて実験を組み立てる。
一方、装置類は、様々の部品を集めて電源、光計測器を組み立てるなど、共通性の高い部分を完成させた。多くの場合、既存の故障した物のパーツを再活用するなどして自作した。これを基に多様な実験を行うことができる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初予定していた以上のエフォートを用いて本研究に取り組んだので、交付申請書の「研究の目的」に記述した計画以上に進展した。学生が身のまわりの現象を自ら物理学の問題として感じて検討することができるように、その例を講義で示すことをめざしているが、実際に、大学において学生と接しならが、日々実験装置の開発をし、学生の反応を見ながら改良をしているので、能率が高いと言える。現場の反応によってすぐにフィードバックが得られる。学生からの質問も、おおいに参考になった。
本研究を進めていく手順が確立したことが、重要な成果であると言える。即ち、文献の系統的な調査、入門的レベルの物理学の数学的な取り扱いの共通性についての理解、科目間の関係を理解した上で実験テーマの選択をすること、などである。装置は、わかりやすく平易なものを作るので、その基本的な共通部品は自作で完成させた。学生が自分でも作って実験をしてみようと思うきっかけになるように配慮している。

今後の研究の推進方策

今後は、第2年目として、実際の実験装置による教育効果を実証する段階になる。大学の現場において、学生と接しながら装置の原理の説明、および他の科目の物理との関連などの説明をし、学生の反応を見て装置の製作にフィードバックをかける。1年目にもそのような方式は用いていて方法は確立しているので、量を増やし、改良したものを更に学生に示して完成されたものにして循環していくことが、今後の推進方策である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、前年に比較して、教科書・文献の系統的入手はやや少なくなり、装置部品の購入が増加する予定である。単体としてはいずれも小額であるが、電気部品などを購入して、自作で必要な装置に組み立てる。更に、学生に実験の背後にある物理を説明するために、印刷物を配布するのでその印刷代が必要である。関係する研究者と研究会などで討論するので、そのための旅費も要する。

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公開日: 2014-07-24  

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