本研究では、アートを用いた研究文化の展示化を目指した.つまり、研究者の価値観や視点を含めた研究文化の発信するための手段として、芸術家と研究者が共同で研究を可視化する作品制作を行うことになる。そして、この作品制作過程の詳細な解析と作品の鑑賞者への伝達効果の検証を行った. 具体的には,実際にアートを用いた科学コミュニケーション活動で創造された作品を用いた比較対象実験を行い,アートが持つ印象と概念の伝達効果について検証しようと試みた. 本研究では2つの作品を用いて行った比較実験の結果を報告し,先行研究の知見を踏まえて科学を用いる際のアートの効果について考察した. その結果、本研究では,アート作品を用い科学を表現すると,①新奇性をもたらし,②市民に親しみやすいベースを用いることにより伝達効果を高める,可能性があることが示唆された. アートを用いる際には,上記の特徴を踏まえた活用により,科学コミュニケーションを円滑にする可能性があることが考えられた. これらの結果については、本としてまとめたほか、学会発表を4回行った。また、論文を作成中である。
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