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2013 年度 実施状況報告書

「最強地震動を再現せよ」:体験型地震学教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24650527
研究機関京都大学

研究代表者

加藤 護  京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 助教 (70335230)

キーワード防災教育
研究概要

本研究計画では被害が出るほど大きな地震のときにわたしたちはどのように揺れるのであろうか?という問いに対し自ら答えを探すきっかけを提供する教材を開発する。またその教材を用いた防災教育プログラムを開発する。本計画は1)地震の揺れをゲーム感覚で疑似体験することを可能にする体験型教材開発と、2)その教材を実践的に生かすための地震防災に関する資料型教材作成の2つのパートから成り立っている。
平成25年度は前年度に引き続き小型加速度センサーの出力信号をリアルタイム処理するソフトウェアの開発に従事した。また体験型教材のプロトタイプを作成した。資料型教材パートの開発では地震波形から被害を想像することは容易ではないという指摘を受け、歴史地震被害について調査整理した。自分の町の過去の歴史地震の被害を身近な事物から想像することと地震波形から地震被害を想像することとをつなぐ教材の開発を遂行する必要があるとの新しい視座を得た。平成25年度は複数の寺社における過去の地震での石灯籠群の被害を調査し、整理した。平行して、2011年東北地方太平洋沖地震とその余震による震度観測値の統計的性質について気象庁のデータベースを利用して検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本計画で開発する体験型教材は実際に体を動かして体験するパートとその体験をもとに資料に基づいて学習体験を深めるパートの2部構成になっている。
平成25年度は初頭に体験パートのプロトタイプ教材の開発を行った。この際、観測地震波形と実際の地震被害の間の関連性を的確に伝えることが重要であるとの発見があった。これを重視し平成25年度の大半を資料パートの開発、とくに歴史地震における石灯籠群の被害調査とこれに基づく教材開発に使うこととなった。結果として加速度センサーを用いた体験型教材の開発は当初計画よりもやや遅れている。
以上を勘案し、研究計画第2年度終了時点の達成度としては総合的にやや遅れているものと判断する。

今後の研究の推進方策

本研究計画で作成・提案する教材は体験パートと学習パートの2本柱からなる。平成26年度はやや開発が遅れている体験パートの教材開発、特に小型加速度センサーの出力をリアルタイム処理したうえで過去の地震動と比較するシステムの開発に注力する。
震度は地震動の指標として報道などで多く用いられているが、実際にどのような観測値であるのかについての理解が必ずしも社会で共有されていないと見受けられる。本教材の資料パートを引き続き開発する際に、報道される震度の情報を的確に理解することができるような道標を教示することができるかどうかについてさらに検討を深めたい。

次年度の研究費の使用計画

本研究計画で作成する体験型教材の開発においてソフトウェア開発が当初計画からやや遅れて進行しており、本年度内にハードウェア開発の本格的な研究遂行を行うことができなかった。このため一部未使用額が出ている。これは来年度中のハードウェア開発において適切に執行する予定である。
上述のように平成26年度の研究計画遂行においてハードウェア開発を本格化させるが、未使用額はこれに充当される予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Revisiting the Ishimoto-Iida Law for Strong‐Motion Seismograms: A Case Study at CEORKA Network, Japan2014

    • 著者名/発表者名
      Mamoru Kato
    • 雑誌名

      Bulletin of the Seismological Society of America

      巻: 104 ページ: 497-502

    • DOI

      doi: 10.1785/0120130097

    • 査読あり
  • [学会発表] 距離に関する大森係数について2013

    • 著者名/発表者名
      加藤護・岡本義雄
    • 学会等名
      日本地震学会
    • 発表場所
      横浜市・産業貿易センター
    • 年月日
      20131007-20131009

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公開日: 2015-05-28  

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