研究課題/領域番号 |
24650531
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
川田 和男 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10300633)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 進化的計算手法 / 機械設計 / PDA |
研究概要 |
本研究は,進化的計算手法を用いて機械の設計能力を評価し,さらに最適設計を支援するPDAを用いた機械設計教育支援システムの開発を主目的とする。工学系の高等教育機関および工業高等学校等の機械設計においては,工業力学や材料力学等の知識を融合し利用した実務的設計を行う授業が重要である。 そこで,従来の機械設計の課題にコンパクトに設計する等の制約条件を設け,進化的計算手法による最適設計解と学生の設計した解とを比較し,そこで生じたずれや試行回数等の評価項目を検討することにより設計能力を定量的に評価することを検討する。また,学生が最適解に近づくように設計を支援する手法を確立するため,授業において有用性を検証し,助言等の与え方についても検討する。 機械設計における学習の評価方法は,定量的な評価の割合は少なく,定性的な評価に頼ることが多く,教員の主観に影響されるという問題を抱えていため,総合的演習の中で重要な意味をもつ工夫・創造した結果や,総合的に考える力について細かく分析した評価は困難である。 現在,工学系の機械設計教育においては知識を問う試験以外では,学習結果に対する評価に関して詳細に考察されたものはほとんど見られず,定量的・客観的な基準に関する研究は,国内外の最新の研究成果を精査しても,未だ手つかず状態である。そのため,熟練者(本研究では遺伝的アルゴリズムの最適設計)に初心者(学生)が近づけるための支援や設計プロセスの評価を行う研究が急務である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在,PDAを用いた支援システムの構築のためのコンピュータの選定およびプログラムを置いておくサーバの構築を検討中である。セキュリティの関係からインターネットに接続するサーバではなく,ローカルに閉じたサーバにより実現する方向で検討している。学生の設計した解や繰り返して最適解と比較する回数(試行回数)は,プログラムの簡単化のためにPDA側にデータが保存できるように検討しているところである。そのため,少しシステム開発が遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
機械設計能力を評価し,さらに最適設計を支援するシステムの構築を行うために,現在時間がかかっているサーバの構築およびPDAとの情報のやり取りの知識や技能をもった方に協力を仰ぎ,予定通りに研究が推進できるよう努力する予定である。 また,予算の関係からシステムの評価に協力してもらう学生の数を小規模のものとし,利用者側の意見をきめ細かく取り入れよりよいシステムの構築に努力する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
進化計算手法の一つである遺伝的アルゴリズムを用いて,機械設計能力の評価および最適設計を支援する学習支援システムの開発に必要なPDAの購入を行い,教育現場でのシステムの検証を行う。これらの検証からシステムを再度再構築し,教育現場での検証を行い,研究のまとめを学会等で発表する予定である。
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