本年度は最終年度であるため、1)昨年も実施した新入生に対するスマホでの学習アプリの必要性の調査に加え、2)同被験者群に対しリニューアルした一歩一歩学ぶ生命科学のサイトのスマホでの使用感調査、3)サイトのスマホおよびタブレットへの最適化、4)オフライン用アプリの作製を中心に研究を行った。 新入生のスマホ使用率は73.3%であり昨年より18.3%上昇した。また、2年生のスマホ使用率は88.7%であり、昨年の使用者と将来スマホを購入すると答えた者の合計をすでに上回っていた。一方、スマホ対応学習アプリの必要性を感じる新入生は昨年とほぼ同数であった。PC用の画面をスマホで操作する場合(いわゆるフルブラウザ)の操作感に対するアンケートの回答は、字が小さく読みづらい、画面を拡大したり縮小したりしながら見るので操作がしづらいという回答が多く、スマホを利用した学習では対応画面の用意が急務であることがわかった。 本研究を遂行している間、Moodleを取り巻くモバイル環境が急速に進化し、複数のスマホ・タブレット対応のアプリが開発され実用段階に入った。そこで、スマホ用アプリを独自に開発するという当初の計画を変更し、既に開発されているアプリのオープンソースを流用して開発期間を短縮することとした。これに伴ってサーバであるMoodleを1.9.6から2.5.1にバージョンアップした。また、2.5.1に対応したコンテンツ作成と作成環境の開発は連携研究者の渋谷により精力的に行われた。以上の成果は下記に上げた書籍およびURLにまとめられた。 これらの改良、およびアプリの使用によりスマホ・タブレットでの使用感の向上が得られた。現在、この環境を利用しながら選択したコンテンツをオフラインで利用できる改造をアプリに付加する開発を行っている。
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