研究課題/領域番号 |
24650540
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
糸井 充穂 日本大学, 医学部, 准教授 (40422448)
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研究分担者 |
田近 謙一 日本大学, 医学部, 教授 (30155072)
宇田川 誠一 日本大学, 医学部, 教授 (70193878)
田代 健治 日本大学, 医学部, 教授 (90060037)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 科学教育 / 医学教育 |
研究概要 |
本研究では、医学教育に必要でありながらカリキュラムの削減で十分に時間を割くことができない数理系分野を一般教育課程で強化し、充実をはかるために分野が融合した視覚的・実質的な新しい教材を開発することを目的としている。 平成24年度は、視覚的教材の一つである、「ハイスピードカメラを用いた統計測定」の教材開発を行った。具体的には、ハイスピードカメラを用いて桜の花びらの落下運動を観察し、身近で動的な現象をとらえる試みである。この研究では、学生の好奇心と主体性を引き出す課題を探索し、学生主体で実験を行い、そこから得られた測定値の統計処理法を学ぶことを主としている。実験では、(1)4月に採取した桜の花びらをプリザードフラワー液に漬け、長時間保存できるように加工する(2)測定に必要な実験器具を作成する、(3)ハイスピードカメラで撮影した写真を解析する、以上3課程を遂行した。花びら数百枚の重さ、面積、重心をはかり、統計処理を行った。次に、風に影響されないように学生自身の力で無風装置を作成した。そして無風条件下で花びらの落下運動をハイスピードカメラで撮影し、その画像から位置、落下速度、回転周期等を導出した。この成果を2012年日本物理学会秋季大会で報告した。 JAVAを用いた生物学・物理学・数学が融合したシミュレーション教材では、前年度から学生実験に取り入れている「神経の活動電位のシミュレーション教材」の学習成果をはかるため、1年生2年生を対象にアンケート調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
視覚教材の一つである、ハイスピードカメラを用いた統計測定では、学生の興味や自主性を十分に引き出しすことができた。したがって「ハイスピードカメラを用いた統計測定」は学生主体型の実験教材として適していると考えられる。教材としての完成度をさらに高めることができれば、学生実験や授業の教材として十分に使用することができる。 「NMRを用いた生体組織のコンピューター計測とデーターの数値解析」では、装置の購入が遅れたため、これから装置の改良および、測定試料の探索を始める。 「JAVAシミュレーションの視覚補助教材」では、「神経の活動電位のシミュレーション教材」を学生に試行した効果を調査し、教材としての完成度を高めるための改良を重ねることに主眼をおいた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は24年度購入したパルス式NMRを自動計測できるように改良し、MRI画像診断の基本原理が習得できるよう学生実験に適した課題を作成する。 引き続き、「ハイスピードカメラを用いた統計測定」と「Javaを用いたシミュレーション教材の作成」を行い、教材としての完成度を高めてゆく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、「ハイスピードカメラを用いた統計測定」をより円滑に遂行するために医学業界でも広く使用されている統計ソフトウエアを購入する。また、消耗品として測定システムの構築に必要な電気回路および電気ケーブル、NMR測定用の試薬、計測用コンピューター等を購入する。
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